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第226話
光生はなぜかジーッと俺を見つめてくる。この体勢でいることもえっちな下着を着ていることも恥ずかしいしそれにいくら部屋が暗いからって言ってもやっぱりこういうのは慣れない。
「……な、なに?そんなに見ないでよ、、」
見て欲しいけど見て欲しくない俺の気持ちはきっと光生にはわからない。
「ふふっ、ごめんごめん。目の前にすっごいかわいい子いるなって思って。」
なんでそんなことを平気で言えるんだ。脚を撫でてくる光生の顔はニコニコとしている。
「……光生嬉しいの?」
「当たり前じゃん、すっごい嬉しい。」
光生のことだからこんなこと今まできっといっぱいしてきてるのにまるで初めてしてもらったみたいに喜ぶからもっとしてあげたくなる。
「んっ……光生大好きっ……」
あれだけ見て勉強したマイケル先生の動画なんて頭がいっぱいいっぱいのこんな状況では思い出せない。どう動いて良いのかわからずとりあえず腰を揺らしてみれば光生はいつものように「ふふっ」と笑う。
「あんっ……っ……あっ……んぅっ…!」
自分から動くなんてしたことなかったから腰が止まらない。俺はこんなに気持ちいいのに光生はなんだか余裕そうな気がする。腰の動かし方がだめなのかなと思い今度は上下に動かしてみる。
「はぁんっ………っ……うぅっ……」
だめだ。こんなの俺の良いところばかりに当たって気持ちいいだけで全然光生のことを気持ちよくさせることができない。それに夢ちゃんに下着まで貰って相談も聞いてくれたのに申し訳ない気持ちになる。
「……光生っ……これもうやだっ……」
「ふふっ、どうしたの。」
腰をスリスリと優しく撫でられた瞬間に涙がボロボロと出てきて視界が滲む。優しくて大好きな声が聞こえるのに涙で光生の顔がよく見えない。
「だって上手にできないからっ……」
このままだと経験豊富な光生を満足させることなんてできない。
「なんで?すっごい上手だよ。」
光生は優しいからそう言ってくれるだけだ。いつもしてもらってばかりでなにひとつ返せていなくて涙は止まるどころかどんどん溢れてくるしもうどうすればいいのかわからなくなってくる。
「上手じゃないもん……光生のこと気持ちよくしたいのにっ……っ…これじゃ俺ばっかり気持ちよくなっちゃうぅ…… 」
早く泣くのを止めないと光生を困らせてしまうのに言葉にすると余計に悲しくて泣いてしまう。
「ふっ、なにそれ。」
真剣な光生の声がした瞬間に手をグイッと引っ張られバランスを崩した俺は光生の体に倒れ込む。
「わっ…!!ごめんっ……」
謝れば苦しいくらいに強く抱きしめられる。
「俺が今どれだけ気持ちいいの我慢してるか知らないでしょ?」
「……え?」
光生の言葉に顔を上げれば涙を拭いてくれる。
「俺がイったら涼は満足してすぐやめちゃいそうだからずっと我慢してんの。」
「でもっ…光生全然気持ちよくなさそうだったし……」
「どこが気持ちよくなさそうなの。こんなに勃ってるのに。」
そう言って下から突き上げられた瞬間にじわっと俺の中が少し熱くなる。
「あっ……光生……」
「ね?言ったでしょ。少しでも気抜いたらすぐイくの。」
今さっきので軽くイってくれたらしい光生は俺の顔を両手で包み込んだ。
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