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第236話 光生side
「はい、部屋に着きましたよ。」
「ん、、ありがとう、、」
ほぼ寝ている涼をベッドに降ろせば何かを思い出したのかカバンをゴソゴソと探る。
「光生、、渡すの遅くなってごめんね、、お誕生日おめでとう!」
綺麗にラッピングされたものを渡してくれる涼は眠たそうで笑ってしまいそうになる。俺にとっては大好きな人から貰うプレゼントで大事な時間なのに本人は何も気にしていないらしい。
「ありがとう。開けてもいい?」
「うん、、いいよ、、」
ウトウトしている涼は半分寝ぼけているのかジーッと俺のことを見つめる。ラッピングを開ければ大好きなブランドの下着が入ってあった。
「光生いつもその下着着てるから選んでみたんだけど、、」
「やばい、すっごい嬉しい。俺が好きなの知ってたの?」
「うん!それ俺も買ったからおそろいだよ、、」
「………え?」
今おそろいって言った?そんなことまでしてくれるなんてどれだけ俺のことを喜ばせてくれるのだろう。
「今度履いてくるね、、」
そう言って俺にもたれかかってくる涼からはすぐにスーッとかわいい寝息が聞こえてくる。
「ふふっ、なんで今寝るの。」
もっと聞きたいことがあるのにそれは叶いそうもない。ゆっくりとベッドに寝かせればスリッと俺に寄ってくる。
「かわいすぎ。ずっと見てられる。」
よっぽど眠たかったのかスリスリとほっぺたを撫でても起きない。こんなに毎日幸せなのは涼のおかげだ。
「いつも無理させちゃってごめんね。涼は優しいから断れないよね。」
いつも優しさに甘えてばかりで俺は何もできていない。むしろ不安にさせるようなことばかりしている。好きな人と付き合うことが初めてだから全部が難しくてどうしたら喜んでくれるのかとか、もっと笑った顔が見たいとか毎日のように考えてしまう。
「……光生もポップコーン…食べて……」
「ふふっ、ポップコーンってなにその寝言。」
かわいい寝言につっこめばハッとする。
「……もしかして今日の映画のこと気にしてるの?」
今日俺が映画を見たいと言ったときポップコーンの話をしていたから夢で一緒に見てくれているのかもしれない。
「ふふっ、ありがとね。」
風邪を引かないように涼に毛布をかける。
「こんなのもったいなくて絶対履けない。」
永遠に眺めてしまうその下着はずっとこの状態のまま持っておきたいけど履かなければ涼は気に入らなかったのかなとか絶対に不安に思う。そんな幸せな悩みが嬉しい。
「……んっ……おいしいね……」
涼はいつも寝言を言っていてかわいい。モグモグと小さく動く唇にそっと触れるとフニャッと笑いながら指を食べようとしてくる。
「ふふっ、それポップコーンじゃなくて俺の指だから。」
電気を消し涼の頭を撫でれば今日のことをたくさん思い出す。ケーキを一緒に食べてくれたこともマイケル先生の動画を何回も見て勉強してくれてたこともえろい下着を着てくれたこともお風呂でえっちをしてくれたことも全部俺のためにしてくれたんだと思うとたまらなく嬉しい。
「今日もいっぱいありがとね。大好き。」
起こさないようにそっとキスをして俺も目を閉じる。
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