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第239話 光生side

「いってきまーす。」 涼が帰ってからすぐに会いたくなってしまった俺は次はいつ泊まりにきてくれるのだろうなんて考えていれば朝になっていて今日も涼に会うために学校へと向かう。 「光生!おはよ!」 突然隣に現れた涼は今日も寝坊したのか走ってきたらしい。 「おはよ。ふふっ、今日もかわいい。」 「っっ!!急になに!?」 焦る涼はキョロキョロと周りを見渡している。 「なにって思ったこと言っただけ。そういえば昨日スウェット忘れて帰ってたよ。」 「あー!やっぱり!!帰ってから無いと思ったんだー!」 「今日持って来ようと思ってたら忘れちゃったから帰り寄ってく?」 本当は持ってくるのを忘れたなんて嘘で家に呼ぶためにわざと置いて来たことは秘密だ。 「うん!ありがとう!何回も家に行ってごめんね、、」 「だからそんなの一切気にしなくていいから。」 それから学校に着き俺は1人で隣の教室に行く。教室をのぞけばすぐに集まる視線に少しめんどくさいけど夢を探す。 「なんでよりによって窓際の席なの。」 教室の1番奥まで歩き夢の目の前に立ち文句を言えば睨まれる。 「あんたのせいで今すっごい視線感じるんだけど。」 それはわかってる。でも俺のせいではないなんて文句を言えば夢を怒らせてしまうしそれはもっとめんどくさい。 「で、私に何か言うことあるんでしょ?」 わかっているくせに知らないふりをする夢に頭を下げる。 「大食いしている写真を見せて申し訳ございませんでした。」 涼との約束だ。謝るのはめちゃくちゃ悔しいけどしょうがない。 「あっはっは!!椎名がちゃんと謝ってる!すっごいおもしろい!」 大爆笑する夢に心底イラッとしてすぐに頭を上げる。 「それで?どうだったの?さくらちゃんのセクシーな下着姿!」 「………やばい。誰にも教えたくないんだけど夢に聞いてほしいくらいやばかった。」 いや本当に誰にも言いたくないし俺だけの秘密にしておきたいけど聞いて欲しい。目の前の空いている席に座れば夢はドヤ顔で見てくる。 「そりゃ私が選んだんだしかわいくないわけないでしょ。しかもさくらちゃんあんなにかわいい顔して健気なんだから椎名が我慢できなくなるのなんて言われなくてもわかってる。」 「そうなの。めちゃくちゃかわいいしすっごいえろかったの。本当にずっと頭から離れなくて困ってるんだけど。」 「あんた自分が今どんだけデレデレなきもい顔してるか知ってる?鏡見る?」 「……ねぇ、スッケスケの黒のレースってやばいよな、、」 質問を無視しあの日の涼の下着姿を思い出せば夢は嫌そうな顔をする。 「きもちわる。椎名ってさくらちゃんに対しての性癖やばそう。」 いやそれはさすがに言い過ぎじゃない?でも涼にも似たようなことを言われた。 「……そういえば涼にも変態なおじさんって言われた。」 「うわっ、簡単に想像つくわ。どうせあんたがさくらちゃんにセクハラなこと言ったりしたんでしょ。」 わざとらしくブルブルと震える夢に言い当てられ何も言い返せない。 「まぁでもわかる気がする。さくらちゃん本当にすること全てかわいいもん。なんかセクハラしたくなる。」 しみじみと語る夢はやっぱり俺の理解者だ。 「そういえばプレゼントありがと。涼が一緒に選んで遊んでくれたって楽しそうに話してた。」 「あぁ、あれはさくらちゃんが自分で見つけて選んだんだよ!椎名がいつもこのブランド着てるからって!私はそれいいじゃんって言っただけ!」 自分は何もしていないと言う夢のこういうところが大好きなことは俺だけの秘密だ。 「でもありがとう。すごい嬉しかった。」 ちょうどチャイムが鳴り立ち上がれば夢はニッと笑う。 「椎名からお礼言われるなんて土砂降りの雨でも降りそう!」 晴天すぎる空を窓から見る夢はやっぱり嫌味しか言わないらしい。

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