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第269話
「そういえば遥くんから電話来てたんだった!」
すっかりかけ直すのを忘れていた。メッセージを送ればすぐに返事がきて今日もご飯を作ってくれるらしい。それから制服に着替えいつもの場所で待っていればのんびりと歩いてくる光生が現れる。
「光生!」
手を振ればまた誰もを落とすであろう笑顔を見せてくれる。
「待っててくれたの?」
「え?そんなに待ってないよ!俺も今来たところ!」
「ふふっ、ありがと。嬉しい。」
光生だっていつも俺のことを待ってくれているのにそんなに嬉しそうに笑ってくれるなんて聞いてない。そんな朝から甘すぎる光生はジッと俺の顔を見つめてくる。
「……なに?そんなに見ないでよ、、」
「んーん、なんでもない。さっきまでえろいことしてたのに何事もなかったかのように制服着てる涼がすっごいえろいなーって思ってただけ。」
「っ!ちょっと!!急に何言ってんの!?」
光生はやっぱり頭のネジが外れているに違いない。普通なら恥ずかしいことでも平気で言ってくる。
「ねぇ、涼に触りたいから今日もしよ。俺の家来て。」
「っっ!今日はしないって!!昨日あんなにいっぱいしたじゃん!!」
光生の性欲はどこまであるんだ。でもこんなにイケメンなのにえろいっていうギャップが何百人もの女の子を恋に落とすんだと思う。
「光生の変態!!すけべ!!むっつり!!」
なんだかむかついてきて思いつく悪口を言い放ち先に学校に向かえば後ろから大きな笑い声が聞こえてくる。
「俺、今日保健室行ってるからね。」
学校に着けばあくびをして手をヒラヒラと振る光生は今日も保健室で寝るのだろう。授業に出なくても成績がトップなんて少女漫画にでてくる主人公みたいだ。
「光生全然帰ってこない、、」
お昼休みになっても帰ってこない光生の様子を見に保健室に行けばまだベッドで寝ていた。
「光生昨日寝てなかったの?」
起こさないようにほっぺたを指でそーっと撫でれば気持ちよさそうに微笑む。
「昨日俺が無理矢理家に誘ったから疲れちゃったよね、、ごめんね、、」
帰ろうとしたところを引き止めるんじゃなかったと後悔しても遅い。なんだかいつも光生を困らせてばかりな気がする。ベッドの横の椅子に座り伏せるように顔を光生の体に乗せればなんだか眠たくなってきた。
「ふふっ、涼も一緒に寝てくれるの?」
突然聞こえてきた声に飛び起きれば光生は優しく微笑んでくれる。
「光生起きてたの!?」
「ん?今起きた。」
ニコッと微笑む光生は俺の腕をグイッと引っ張り引き寄せる。
「今日の朝の続き今からする?」
制服越しに背中を撫でる手はゆっくりとズボンのほうに下がってくる。
「っ!!だめっ!!絶対だめ!!」
「なんで?気持ちよくしてあげるのに。」
拗ねる光生はムッとした顔をこれでもかと見せつけてくる。
「……だからだめなの……俺、光生みたいに気持ちいいの上手に我慢できないから……だから家で2人きりのときじゃだめ…?」
だめなんて言われたらどうしようと思いながら恐る恐る光生の顔を見上げる。
「………やばい、勃った。」
「ぇえ!?」
どこにそんな反応する部分があったのだろう。
「ねぇ、ちょっとだけ俺の触って。」
そんなことを言ってくる光生は本気なのか冗談なのかわからない。それでもどうしていいかわからず言われた通り布団の中に手を入れ、そっとズボン越しに光生のものに触れると本当に勃っていた。
「ふふっ、本当に触ってくれるんだ。」
気持ちよさそうに目を閉じる余裕たっぷりの光生にむかついて形をなぞるように撫でればさらに大きくなっていく。きっと今触るとすごく気持ちいいだろうからパッと手を離してみる。
「なんで今やめるの。」
「へへっ、今日の朝の仕返し!」
俺だって朝大変だったんだから仕返しくらいさせてほしい。それなのに光生を睨んでみても嬉しそうに笑ってくるから仕返しにはなっていないみたいだ。
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