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第273話 光生side
「ごめん。もう少しだけこのままでいさせて。」
外は暗くてもまだ夕方だし公園からは人の声がする。外で抱きしめられるのなんて涼はきっと嫌なはずなのに腰に手を回し抱きしめ返してくれる。
「…光生?どうしたの?」
不安そうな声も俺のせいだと思うと胸が痛む。
「んーん、なんでもない。」
これ以上困らせるわけにもいかなく体を離し家へと帰ろうとすれば涼は遠慮がちに手を握ってくる。驚いて涼の顔を見れば恥ずかしそうに微笑むからその手を強く握ってしまう。
「遥くんはよかったの?」
ずっと気になっていたことを恐る恐る聞いてみると涼は呑気に頷く。
「うん!遥くんも光生のところに行ってきてって言ってたし!」
「そっか。なんか気遣わせちゃったね。」
遥くんは今ごろどう思っているのだろう。
「んーん、大丈夫だよ!遥くんも今頃えみちゃんのところ行ってると思う!」
「………えみちゃん?」
誰だそれは。ニコッと笑う涼は首をかわいく傾げる。
「あれ?言ってなかったっけ?遥くんの彼女!」
「………え?」
「遥くん、幼稚園の時からえみちゃんの事が好きで中学になってからずっと付き合ってるんだよ!」
なんでそんな大事すぎる事を言わなかったんだ。それを知っていればここ数日のモヤモヤした気持ちも遥くんへの嫉妬もなかったのに涼は本当に言い忘れていたみたいだ。
「すっごいギャルで強くてかっこいいから後で写真見せてあげるね!」
なんだか一気に張り詰めていたものが緩んでいく。そして家に着き部屋に入った瞬間に涼にギュッと抱きつかれる。
「……涼?」
「さっき光生すぐ離れちゃったから、、」
恥ずかしそうに話す涼はチラッと俺のことを見上げる。
「……光生と一緒にお風呂入りたい。」
「ふふっ、どうしたの。なんでそんなに俺のこと喜ばせてくれるの?」
「んーん、遥くんにもっと素直になったほうが良いって言われたからわがまま言ってみただけ、、」
遥くんはなんていい人なんだ。誤解してたことも、この前睨んでしまったことも全部、一刻も早く謝りたい。そしてお風呂を沸かしている間も涼は俺にくっついて離れないのは一体なんなんだ。そんなに甘えられると幸せすぎて心臓がもたない。
「光生、、服脱がせて、、」
どうやらそんな幸せな時間はまだ続くらしい。服を脱がしお風呂に入り涼の体を洗えば嬉しそうにはしゃいでいる。
「光生のことも洗ってあげる!」
泡に包まれた涼はかわいくてしょうがない。それから湯船に浸かれば向かいあうように俺の膝に乗ってくる。
「光生抱っこ!」
これで誘ってるつもりがないところが涼っぽくて大好きだけどもう少し自分のかわいさに自覚を持って欲しい。
「大丈夫?寒くない?」
抱きついてくる涼の背中にお湯をかければ嬉しそうに起き上がる。
「んふふっ、光生も!」
両手でお湯をすくう涼は俺の肩へとかけてくれる。それからお風呂を上がりスウェットを貸せばブカブカな姿に必死に理性を保つ。
「ふぅ〜、のぼせちゃった、、」
無防備にベッドに寝転ぶ涼はのぼせたせいか顔が赤い。
「ふふっ、アイス食べる?」
「わぁー!!ありがとう!!」
ほっぺたにピタッとアイスをくっつけて渡せばその場にちょこんと座り嬉しそうに食べるから癒されまくりだ。
「んっ…まだ暑い……」
そして食べ終わるとなぜかズボンだけを脱ぎだす。大きめのスウェットは涼の下着をギリギリ隠すけどその格好は俺のツボをつきまくる。
「ねぇ、それわざと?」
気づいたときには覆い被さっていた。まだ火照っている生足を撫でれば涼はビクッと反応する。止まらない俺はスウェットをめくり涼の乳首を舐める。
「んんぅっ…!光生のえっち!」
やばい、幸せすぎてどうしよう。顔を上げ目が合えば涼は自らスウェットを首まで捲り上げる。
「……光生…いっぱい吸っていいよ……」
白くてスベスベな体にぷっくりとした乳首はピンッと勃っていてそれでいて涼はこんなにえろいことを言ってくれる。いっぱいえろいことをしたいのにそれ以上に涼に甘えたくなった俺はそっとキスをする。
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