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朔矢side

 ゆっくりと着ている服を脱がせていく……  夢の中で何度も抱いたはずなのに、いざ本人を目の前にすると人っておかしいもので……触れたいのに、触れるのが怖くて……思っていた以上に圭佑がキレイで…… 恐る恐る自分の指先で露になった圭佑の胸元に触れてみる。 「あっ……」  ピクッと体を強張らせながら、お前がぎゅっと瞳を閉じた。愛しい……そう感じた。  何度も何度も指先を白い肌へ滑らせる度に漏れる声と、荒くなっていく息遣いに、俺はもっと、もっと求めて欲しいという思いになっていく……  おでこに、頬に、唇に、首筋に、鎖骨に、胸に、お腹に、唇を滑らせていけば、びくんと体を震わせる。そして、まだ触れていなかった圭佑の中心をそっと手の中に包み込んだ。 「あぁっ……んっ……」 「もう、こんなになってる……」  圭佑のそこは、もうすでに硬さを増して大きくなっていた。 「だって……朔矢が触れるから……」 「だって、圭佑が可愛いから……」 「バカ……」 「でも、感じてくれてるんだろ?」 「んっ……当たり前でしょ。今までで一番幸せだもん……」 「こんなときに、あいつとのこと思い出すなよ?」 「ゴメン……。けど、それくらい朔矢とこうしてることが気持ちいいの……」 「それでも、俺といるときに他のやつのことなんて考える余裕があるのが無理だから……」  そう言って、包み込んでいたペニスの先を舌先でペロリと舐めると、そのまま咥え込む。 「んっ、はぁっ……」  他のことなんて考えられないくらいに俺でいっぱいにしてやる。俺のことしか見えないくらいにお前を愛してやる。口内で裏筋をなぞりながら上下させていき、カリの部分を唇で挟み込む。 「んっ……」  ブルッと体を震わせて甘い声が耳へ届く……  くすぐったいようで愛しい……そんな甘い声…… 「んっ、あっ、あっ……僕、もう……」 「いいよ……イッて……」 「けど……」 「ほらっ……我慢しなくていいから……」  そう言って奥まで咥え込むと、一気に先端へと動かしていく。 「ふはっ……んっ、あぁぁっ……んっ」  どくんと弾けたどろりとした液体が口内へ広がっていく。力を失った圭佑がベッドの上で横たわっている姿を目にして、俺は心臓が煩いくらいにドクドクしている。まるで夢の中にいるみたいだ……。いや、これが夢だったら…… 「圭佑……?」 「朔矢……どうしたの?」 「俺……ずっとこうなりたいって思ってた」 「僕だって……」 「本当にずっと……」 「うん……」  夢じゃないことを確認するように圭佑の名前を呼ぶ。不安そうな声を出している俺に、圭佑も不安そうな顔をしていて、まるでシンクロしているみたいだ。  俺はゆっくりと腕を伸ばし、圭佑の体を包み込む。何も言わずに身を委ねてくる姿に、何だか堪らなく愛しさが増す。人を抱きしめることに、こんなにドキドキしたことがあっただろうか……? これはきっと……圭佑、お前だから…… 「あーっ、俺……かなり圭佑が好きみたい……」 「もう……朔矢のバカ……」 「だって、こんなにも愛しい……」 「恥ずかしいよ……」 「だから……やっぱり俺の、俺だけの圭佑になってよ……」  耳元に唇を近づけて伝えたら、くすぐったそうに肩をすぼめて恥ずかしそうに顔を赤らめている。 「大好きだよ……」  もう一度、気持ちを告げてそっと唇を重ねた。どんどんと深くなっていくキスに、ついてくるのがやっとというように、空いた隙間から息を漏らしてる。 「んはぁっ……ふぁっ……」  唇を解放してやると、苦しそうに眉を潜めているのに、幸せそうに俺を見ているお前がいて…… 「もう、我慢できない……。圭佑……お前が欲しい」  そう言って、首筋に軽く噛みついた。 「はぁっ……」  痛みよりもこれから始まる行為への興奮のせいか、顔を逸らせている。俺は、そのままゆっくりと身体中にキスを落としながら、今まで触れたことない秘部へと手を伸ばす。まだ濡れていないはずのそこは、さっきまでの行為からか、蜜が流れついていた。そっと指先で割れ目をなぞってみる。 「ひぁっ……あぅっ……」  ビクッと身体を丸めてしまいそうな圭佑に『ダメっ』と言うと、素直に小さくなりそうだったのが元に戻った。 「ここも……あいつは触れたの?」 「ううん……朔矢だけ……」 「じゃあ、俺だけに触れさせて……」 「んっ、いいよ……」  恥ずかしそうに人差し指を唇に当てながら答える姿に、体の芯が疼くのを感じた。痛くないようにと、寝る前につけるために置いてあるハンドクリームを指先に絡める。そして、ゆっくりと圭佑の中に指を差し込む。 「うっ……くっ……」  それと同時に苦しそうな声が耳に届く。俺は、一瞬指の動きを止めた。 「痛い?」 「うん……けど、平気……」  明らかに額には汗が滲んでいて、苦しいはずなのに、幸せそうに笑っている。俺のために答えてくれようとしてる圭佑が愛しくて堪らない。まだ先端しか入っていない指を、ゆっくりと推し進めていく。その度に、眉を寄せながら苦しそうな表情を見せる圭佑に、興奮していく。 「んっ、はぁ……あっ……」  ようやく奥まで入り指を動かすと、さっきまでとは明らかに違う声が漏れ始めていた。感じてる……? ねえ、圭佑……感じているの? 俺は、そんな圭佑の反応を確かめるように、痛くないように指を奥から入り口へと抜き差ししていく。 「あ、あっ、あんっ……ふぅっん、朔矢……きもちっ、いよ……」 「感じてる?」 「う、ん……」  艶めいた表情で俺を見ている。こんな顔見せられたら、もう引き返せるわけない。俺たちは、溺れていくだけ……。

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