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第3話

「おしおき。」 あの強姦にあった生徒から話を聞き終わり、寮へと返した後、貞臣さんは即座に死の宣告をしてきた。 「なんでですか!俺なんも壊してないです!」 「また誑かしたろ。」 「はい?」 「ほんと無自覚とかタチ悪いんだよなあ。」 なにを言ってるのかさっぱり俺には解らず、首を傾げると貞臣さんは大袈裟に溜息をつく。 「とりあえずおしおき。」 「いや、意味わからないですから!」 「しょうがないから今回は膝枕で手をうってやる。俺って優しー」 「はあ?…って、ちょっ!」 戸惑ってる俺を無理やりソファに座らせる貞臣さん。 そして普通に俺の足に頭を置いてきた。 「男の硬い膝で気持ち良いんですか?」 「俺硬い枕の方が好きだから。結構いいんだよ。なんなら俺もしてやろうか?」 「結構です。」 ばさっと切る俺に貞臣さんは何故か嬉しそうに笑う。 またこの人はフェロモン溢れる笑みをして… 俺じゃなかったらストーカーが増えるぞ、まったく。 俺の苦労を知ってか知らずか、未だフェロモンだだ漏れの貞臣さんを見て一つ疑問が生まれる。折角だからと、それを俺の膝の上の貞臣さんに問う。 「貞臣さんって最初はあんま笑いませんでしたよね?なんで笑うようになったんですか?」 「は?…もしかして覚えてないの?」 「え?前も聞きましたっけ、俺。」 「別に…覚えてないならいいよ。」 何故か拗ねた貞臣さん。 なんか余計なことを言ってしまっただろうか。 てゆうか前に一度俺聞いたかな? 困った。思い出せない。 「なんかすいません…だけど俺貞臣さんは笑ってた方がいいと思いますよ。なんていうか旨く言えないですけど、なんか貞臣さんの笑った顔、好きです。」 「…知ってる。」 そう言って未だそっぽを向いたままの、だけど口元が緩んでる貞臣さんに、やっぱりこの人は綺麗だと思った。 この後貞臣さんは眠ってしまい、暫く動けなかった俺の足が筋肉痛になったのは言うまでもない。

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