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第17話
貞臣さんの元から離れ、シュンの側にいるようになってから1週間が経った。
授業と寝る時以外はシュンの元にいるが、別段シュンが何をしてくるわけではない。ただそばに居るだけだった。
また授業と寝る時はシュンの族に入っているシンジという奴が俺のもとに常にいる。
そいつは偶然か必然か知らないがこうなる前から同じクラスで同室だったやつで、丁度いいとシュンが俺の見張り役にした。
つまり俺に安息の地はないという訳だ。
「タカヤ、なにか欲しいものないのか?」
「ない。あえて言うなら自由。お前から離れたい。」
そういうとシュンは高らかに笑う。
いや面白いことは一つも言ってねーよ。
「それだけはあげられないね。お前は俺のそばから離れるのは許さない。」
「ああそうですか。」
どうせ叶うと思ってなかった願いだからその返答がくることも想定内だった。
ただシュンの目的がわからない。ただ俺をそばにおき続きてなにがしたいんだ。
「そういえば転校生はいいのかよ。ずっと一緒にいただろ。」
「ん?あー、あいつはもういらねぇ。お前と接触する為だけの駒だし。もうタカヤ以外はいらない。」
そんなことを恥ずかしがる事もなく言うコイツに、あの時こんな言葉を吐かれていたらどうだったのだろうかと思った。
俺はこいつに依存しきり、壊れていたのだろうか。
じゃあ貞臣さんに言われたら?
俺以外いらないと言われたらどうなんだろう。
一週間経ち俺に接触してくる様子のないあの人は信じることしか取り柄のない、それさえも今無くしてしまった裏切り者の俺のことなんかもうどうでも良くなってしまっているかもしれないけど。
「タカヤのその目嫌いだ。」
ついシュンの存在を忘れ、耽っているとシュンは不快な顔をしながら、俺の顔に手を伸ばす。
片方の目に触れようとする為、俺は強く目を瞑った。
「全て終わってからにしようと思ったが、そんな顔されるとそろそろ俺の我慢も限界がくるぜ。早急に崩したくなる。」
「全て終わってから?…お前なにをっ…ちょ、んんっ…」
言葉の真偽を確かめようとした時、シュンは強引に俺にキスをする。
無理矢理に口内に侵入し、隅々まで奪い取るように犯していく。
ああ、気持ち悪い。
貞臣さんとした時には感じなかった禍々しい不快感。
頬に伝っていくものが照明のようだった。
「アイツには渡さない。お前が俺を愛せば俺はアイツに手を出さない。」
「いっ…た…やめ、」
俺の首筋に印をつけるシュン。
ああ、これは烙印だ。もうあそこには戻れない落ちた印。
そう思ったらただ貞臣さんとのキスが脳内を掠めて、消えた。
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