18 / 22

第18話

no side とある廃墟に数名、血の匂いがこびりついた男達が集まっている。 その男達は1人の男を囲い、その男の言葉を一心に聞いていた。 「それで、貞臣のとこに忍び込ませたやつはなんで言ってんだ?」 「もうすぐサルビナを潰す為にルノタスが動き出すらしいです。そこにも貞臣も参加するとか。」 「ふーん。やっぱりな。まあ悠長に待ってる必要もねぇよ。あいつら幹部と貞臣と密会する日…明後日。それがアイツらの命日だ。」 中心にいる男がその言葉を吐くと、皆一様に下卑た笑みを浮かべる。 「そこにあの猛犬は連れてくんですか?」 「当たり前だろ。アイツの前で貞臣をヤる。そうしたらアイツはオレのものだ。」 「でも貞臣をやらないという約束じゃ…ぐはっ!」 その言葉を1人の男が言いかけた時、中心にいる男はソイツの腹を蹴り上げる。その重い打撃に発言した男は倒れ込む。 「俺の愛しい愛しい犬を盗られたんだ。俺の物を盗むハイエナは死罪だろ」 そう言い放つと男は夜の闇に溶ける。 色素の薄い目が溶ける前に怪しく光っていた。

ともだちにシェアしよう!