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第7話

恭一さんはクールなイケメン、大貴さんはあどけなさの残る可愛い顔立ち、慶太さんに至っては、目を見張る程の美少年。 だが、慶太さんが大の相撲好き、という事以外、僕はなにも知らない。 学校から並んで歩く帰り道。 「ねえ、お兄ちゃん」 「ん?どした、奏斗」 「恭一さんと大貴さんって仲悪いの?」 んー、と兄が宙を仰ぎ、唸った。 「どうだろ。仲悪いって訳じゃないし、特別、仲がいいって訳じゃないような...ほら、2人、幼稚園から幼馴染み、ていうか、2人に言わせたら腐れ縁だから」 「えーっ!」 「どした?」 「2人、幼馴染みだったんだ!?」 「知らなかった?まあ、あんま2人も触れないもんな。それより」 「ん?」 「猫カフェ、楽しみだなあ」 見上げた兄の顔は蕩けそうな笑顔。 「いっぱい、猫とじゃれようね、お兄ちゃん」 そして、僕とも。 「だな、ああ、楽しみすぎるー!」 大喜びするお兄ちゃん、可愛いなあ。 提案して良かった、と思った僕なのでした。 が。 次の日曜日。 「...可愛いな、奏斗」 言われたかった言葉ですが、切ない笑顔と声の隣の兄に困惑する僕がいます...。 「う、うん...」 何故か、猫好きな兄には一匹も寄り付かず、僕にわんさか猫が集まって来てしまい... 僕の膝には二匹、周りには五匹、頭の上に子猫が丸くなり眠っています。 しゅんとしながら、僕に懐いてしまった猫たちを羨ましそうに見つめる兄の切ない瞳...。 不憫になり、一匹の子猫を兄の膝に置きました。 暫し、兄と見つめ合った後、コロン、と兄の膝の上で横たわります。 「か、か、可愛い....」 そっと、兄は子猫の頭や顎の下を撫で、ゴロゴロと喉を鳴らし... 僕は次第に...子猫がムカついて来ました。 僕だって、お兄ちゃんの膝で眠りたいのに! 頭を撫でられ、可愛いね、て言って貰いたい...! 一瞬、子猫がちら、と僕を見て、僕の怒りに満ちた瞳とぶつかりましたが、子猫はふん、と首を振り、お兄ちゃんに甘え出しました。 僕のお兄ちゃんなのに、この、泥棒猫ー!

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