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第8話
とある日の事です。
突然、慶太さんが我が家にやって来ました。
初めて見る、慶太さんの私服姿...。
真っ白なTシャツに薄い紫色のパーカーに細身なデニム。
脚が細いなあ...背は僕と変わらない、小柄なのに、しかも長い脚。
「DVDが壊れちゃってさー、録画してた相撲見れなくて。弟には拒否られるし」
「慶太さん、弟さんいるんですか?」
「うん、いるよー。1つ下。奏斗のタメだね」
にっこり微笑む慶太さん、ほんと美少年。
兄はお風呂中で、僕の部屋に招き入れました。
前作で作者が書いていた通り、慶太さんは相撲が大好きで、力士になりたい願望があるようです。
相撲部のある高校にすれば良かった、なんて僕に零したくらいですから。
「飲み物、持ってきますね」
僕は一旦、部屋を後にし、キッチンでジュースをグラスに2つ注ぎ、自室に入り、呆然と立ち尽くしてしまいました。
慶太さんはテレビ画面に食いつき、ギラギラとした瞳で相撲中継を見つめ、はあはあ言ってるんです。
「け、慶太さん、そんな近くで見てたら目が悪くなりますよ」
本当に慶太さん、相撲が好きなんだなあ...。
「ごめんごめん、つい、興奮しちゃって」
笑顔でジュースを手に取った慶太さん。
興奮....?
ま、まあ、迫力あるし、興奮くらいするか。
「自宅ではさー、神聖なんだからって、自分には言い聞かせてはいるんだけど。やっぱ、この肉体美には適わなくってさー。つい、しこっちゃうよねー」
「し、しこる...?」
目を丸くした僕。冷静にジュースを飲み始めた慶太さんから目が離せなくなり、ジュースが飲めない。
しこを踏む、ではなく....?
「うん!奏斗もわかるっしょ?」
ふと、慶太さんの細い脚が目に入った。
「け、慶太さん、た、勃ってません....?」
「そりゃー、勃っちゃうよー。自宅じゃないのに、ごめんね!」
ペロ、と舌を出した慶太さんは可愛い。
可愛いけど、で、デカい、かも。下半身。
「奏斗ー。風呂、空いた...て、慶太じゃん」
「うん、DVD壊れたからー、相撲見れなくってさー」
兄が眉を顰めた。
「...頼むから、うちで自慰すんなよ?」
「あー、大丈夫!奏斗が付き合ってくんなかったしー」
え、え、えっ!?僕!?
「奏斗も力士さん、好きだもんねー?」
慶太さんの嬉しそうな笑み...どうしてこうなった。
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