9 / 38

第9話

僕は全て知ってしまいました....。 慶太さんが相撲好きなのは確か、でも、力士さんがタイプなのだと....。 全て僕の勘違いだったのです。 「僕が力士にー?キャハハハ、そんなわけ~、あっ、なんかお菓子ない?」 ...あれ? なんだろう、この感じ...。 勘違いだったのは確か、でも、なんか裏切られた感...。 「人様の家に来といて、いけしゃーしゃーと」 「だーって、お菓子食べたくなったんだもーん」 「悪い、奏斗。お菓子、台所から取ってきて。俺はこいつがこっそり発情して自慰しないか見張らなきゃだから」 「あー、優斗にはバレてるー、つまんないのー」 僕が思っていた慶太さんと実際の慶太さんはかなり違うみたい....。 こんなにキラキラした美少年なのに...なんか、アホっぽい。 言えないけど。 「...じゃ、お菓子、取ってくる。ポテチでいいですか?慶太さん」 「うん!コンソメかのり塩!」 「や、塩味しかなかったかも」 「えーっ!じゃ、それでいいや!よろしくね、奏斗」 笑顔の慶太さん、相変わらずの美少年...あんなに憧れていたのに、あれ?なんか、ちょっとムカつくかも。 ...まあ、いっか、悪い人ではないし。 お兄ちゃんはそれ以降、相撲は見せようとはせず、結局、ひとしきりお菓子食べて、ジュース飲んで、慶太さんは嵐のように帰って行きました。 ...なんか、ちょっと疲れた。

ともだちにシェアしよう!