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第9話
僕は全て知ってしまいました....。
慶太さんが相撲好きなのは確か、でも、力士さんがタイプなのだと....。
全て僕の勘違いだったのです。
「僕が力士にー?キャハハハ、そんなわけ~、あっ、なんかお菓子ない?」
...あれ?
なんだろう、この感じ...。
勘違いだったのは確か、でも、なんか裏切られた感...。
「人様の家に来といて、いけしゃーしゃーと」
「だーって、お菓子食べたくなったんだもーん」
「悪い、奏斗。お菓子、台所から取ってきて。俺はこいつがこっそり発情して自慰しないか見張らなきゃだから」
「あー、優斗にはバレてるー、つまんないのー」
僕が思っていた慶太さんと実際の慶太さんはかなり違うみたい....。
こんなにキラキラした美少年なのに...なんか、アホっぽい。
言えないけど。
「...じゃ、お菓子、取ってくる。ポテチでいいですか?慶太さん」
「うん!コンソメかのり塩!」
「や、塩味しかなかったかも」
「えーっ!じゃ、それでいいや!よろしくね、奏斗」
笑顔の慶太さん、相変わらずの美少年...あんなに憧れていたのに、あれ?なんか、ちょっとムカつくかも。
...まあ、いっか、悪い人ではないし。
お兄ちゃんはそれ以降、相撲は見せようとはせず、結局、ひとしきりお菓子食べて、ジュース飲んで、慶太さんは嵐のように帰って行きました。
...なんか、ちょっと疲れた。
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