15 / 38

第15話

「みんなでワイワイって、楽しいかなあって思って」 「なんだか修学旅行みたいだな」 恭一さん、大貴さん、慶太さん、お兄ちゃんまでもが、みんなが持ってきた、お菓子やジュースで盛り上がり、まるで宴会。 ....お兄ちゃんのバカーーー!!! みんなの輪から外れ、浴衣姿の僕や慶太さんと変わらない小柄で、慶太さんにも、負けず劣らずな美少年が正座してるのが目に止まった。 同じ美少年でも、ケラケラ笑う明るい慶太さんとは違い、真顔だ。 不意に目が合った。彼に笑顔はない。 「え、あ、飲み物とか、い、いいの?」 「...なんでも」 僕は紙コップにオレンジを注ぎ、彼に渡した。 「...どうも」 「初めて見るね」 「....アレの弟です」 指差した人差し指の先。 浴衣姿で爆笑してる慶太さんに辿り着いた。 「ああ、慶太さんの弟さん...兄がいつもお世話になってます」 僕も正座になり、ぺこり、頭を下げた。 「うちのアホもお世話になってます....て誰かの弟?」 「あ、優斗の兄です。知ってるかわからないけど」 「ああ!優斗さんの!」 「蓮太と奏斗、仲良くなった?普段、なるべく、無表情なもん同士、似てるな」 恭一さんが後ろに手を付き、ジュースを飲みながら僕達に気が付いたらしい。 「優斗さんがお兄さんなら安心ですよね、えっと...奏斗さん、でしたっけ」 「あ、うん、でも、僕の兄もしょっちゅう、ドジするよ?」 「ドジ、ですか?」 蓮太くんの慶太さんによく似た可愛い目が丸くなる。 「うん。箸、逆さまに持ってたり、制服とかお構いなく、ズボンのファスナー全開だったり」 「それ、まだ、可愛い方ですよ!」 「そ、そう?」 うんうん、と、蓮太くんが何度も頷いた。

ともだちにシェアしよう!