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第18話
みんなが兄と僕の部屋でやいややいやと騒いでいる中、僕は真剣に考えていた。
思い切って、慶太さんと蓮太くんに打ち明けた。
「絶対、もったいないと思うんです、お2人」
「僕たちー?」
僕は頷いた。
「M-1優勝も夢じゃないんじゃないかって。兄と僕の両親、結婚記念日なんで、良かったらコント披露して貰えませんか?」
「「コント」」
「...別にコントしている訳じゃないですが...ご両親は喜んでくれるでしょうか?」
「そりゃ、もちろん」
そうして、兄と僕の両親だけではなく、それぞれのご両親が集まり、慶太さん、蓮太くんの初コントのお披露目になった。
「どうもー」
「どうも。慶太と蓮太です」
「蓮太ー?レンタルだしょー?」
「1泊2日で新作料金、いつでも何処でも貴方のお部屋へ...違うわ」
パーン!
どっと歓声が上がる。
「まあ、今日は優斗さん、奏斗さんのご両親の結婚記念日というわけで」
「いやー、めでたい!」
「奏斗さんからのリクエストもあり。才能がある、言われたんですけどね」
「でも、僕はアイドルになる為に生まれて来ましたからー」
「調子にのんな」
パーン!
またもや、どっと場が盛り上がる。
「このハリセンは物心ついた頃から兄がアホ過ぎて、改良に改良を重ねて、伸び縮み可能、重症をおわさないよう、紙質にも拘りぬいた作でして」
「という話しは置いときましてー」
パーン!
「勝手に置くな」
「皆さんは相撲は好きですかー?今日は僕の大好きな力士さんについてー」
「誰も聞きたくないわ」
パーン!
「「どうもありがとうございましたー」」
2人は同時に頭を下げるなり、思っていた通りだ。
先程以上の拍手喝采に口笛、リクエストの声まで。
結果、リクエストに応え、慶太さんは笑顔で何度も真顔の蓮太くんにしばかれました。
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