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第19話
コントが終わると変わらず、何故かみんな、当たり前かのように兄と僕の部屋へ。
「お疲れ様でした。大盛況でしたね」
「ですね、僕もびっくりしました」
マネージャーか!のように、慶太さんと蓮太くんに紙コップのジュースを渡す僕。
「ギャラはー」
「え?」
「だから、ギャラはー?」
パーン!
「調子にのんな」
途端、慶太さんは蓮太くんにしばかれた。
ふと、恭一さんと目が合うとウインクされ、手招きされた。
なんだろう?と恭一さんの元へ行くと、手に何かを握らされた。
「調べたとこ、Ω同士は妊娠しないらしいけど、念の為、コレ」
そーっと、手のひらを開けると、三重に折り重なったコンドーム...。
かあぁっ、と一瞬、顔が熱くなった、が、
このギャーギャーうるさい、僕たちの部屋で出来るんだろうか....。
せ、せ、せ。セック....。
「奏斗」
体が容赦なく跳ねた。
「ス!」
「す?」
お兄ちゃんがびっくり眼で僕を見つめる。
「な、なんでもない、アハハ」
「面白かったなあ、慶太と蓮太のコント」
「でしょ?僕の目に狂いはなかったよ」
「なんかの催し...あ、学園祭でやってもウケそうだよね」
「だね」
「僕、サインの練習しなきゃー」
パーン!
その後はみんなでテレビ見てたら、誰かがエロいの見ようぜー、カード買ってこいよー、など、ほんと、修学旅行さながらな夜。
ツインのベッドの周りに布団を敷き詰め、みんなで寝ることになった。
てか、なんで、みんな自分の部屋に戻らないんだろう...。
慶太さんの寝相の悪さは凄かった。いびきも、ガー!ゴー!と美少年らしからぬ凄まじさだが。
浴衣着てる意味ない、パンツも丸見え。
黒とピンクのド派手なパンツ、慶太さんらしい。
恭一さん、蓮太くんは寝相がいい。
お兄ちゃんは...?
そーっと忍び寄る。
か、か、可愛い寝顔。寝ながらにして誘惑してるかのよう...。
そっと顔を近づけていく。
鼻息の荒らさで気付かれないかな...とドキドキした。
口をタコのように尖らせ、兄の可愛らしい唇へ....。
その時だった。
ふらーっと薄闇に人影が揺れた。
で、で、出たーーー!!!
兄も遊園地でお会いしたけれど、まさか、僕まで!?
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