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第29話

慶太と蓮太の部屋。 ベッドに並んで座る、蓮太のマシンガントークも然ることながら、部屋一面に貼ってある、力士のポスターも居心地が悪い。 「何度も何度も剥がしても、あのアホが貼り付けちゃうんですよねー!自宅の部屋もそうです!何回、燃えるゴミに出したか...!翌日には元に戻ってて!」 「...別に燃えるゴミに出さなくてもいいんじゃないかなぁ...力士さんにも失礼だし」 「じゃあ、なんですか!?優斗さんは僕が間違っていると!?」 「や、そういう訳じゃ....」 あー....帰りたい。奏斗たちがいる部屋に。 隣にはどうでもいい蓮太、視線を上げると力士のポスター。 と、突然、蓮太が背中側の帯からハリセンを取り出し、俺まで張り倒される!? と、慄いた。 「このハリセン、10代目になります」 「....はあ」 「兄が8歳の時に初めて作りました、試行錯誤し、10作品目です。...何故かわかります?」 「さ、さあ...」 「父が兄を相撲を見に行こう、と誘ったからです!それまでの兄は今より幾分、マシでした」 「そ、そう...」 ....こんなやり取りで一体、どれだけ時間が経過しているのだろう....。 しかも、急に奏斗は恭一に甘えだした。 恭一も満更じゃなさそうだわ、何故か、大貴も加担しているようにすら見える。 「恭一さん、見て見て、綺麗な景色ですね」 テレビ番組の海外の絶景を指差し、恭一に凭れ、奏斗が笑顔。 「確かに綺麗だな...でも、奏斗の方が100倍、綺麗だよ」 「綺麗だなんて、そんな...」 恥ずかしがる奏斗とそんな奏斗を見つめる恭一には優しい笑み。 それだけでなく、互いにちょくちょく、菓子をあーん、し合っている....。 「....で!どう思いますか!?優斗さん!」 はっと我に返る。 「ご、ごめん、聞いてなかった...」 テヘヘ、と笑って誤魔化したが、蓮太に笑顔はない。 「....みんなにバラされたいんですか?奏斗さんの寝顔見ながら、アナルに指を入れてオナニーしてたって」 「そ、それは困る!」 「だったら、ちゃんと話し聞いてください」 「....はい」 辛い....。

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