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第30話

兄と蓮太くんを除くみんなでテーブルにはポテチ。 寛いでいると、2人が戻ってきた。 兄の視線が僕に向けられたが、つん、とそっぽを向いた。 「でも、良かったな、慶太」 「うん!まさか、力士さんにちゃんこに誘われるなんてー!」 うふふふふ!と慶太さんが両頬を抑え、嬉しそうに笑った、その瞬間。 パーーン!!! 「このドアホー!」 蓮太くんのハリセンと雄叫びに一同、唖然。 「ちゃんこ目当てでひょいひょいと!力士がαだったらどうするー!自分がΩだと認識せんかーい!」 パーーン! 「その時はその時!力士さんとおセッセなんて本望だしー」 「このビッチがー!!!」 パーーン! パーーン! パーーン! 計、続けざまに、三発。 「そんなビッチなんてー!」 「兄貴のは単なる憧れだって、はよ、気づかんかーい!!!遊ばれて、妊娠しても、知らないからなー!!!」 パーーン! となるか、と思いきや。 蓮太くんは怒声を浴びせるだけで、ハリセンを使わなかった。 「優斗さんに愚痴や相談、乗ってもらってた意味、ないやんけー!!!」 パーーーン!!! ようやく、ハリセン、炸裂。 て、え、待って... 「....お兄ちゃんに愚痴や相談?」 「はい。とある弱味を握ったものですから」 「....弱味?ですか?」 「はい。優斗さんが奏斗さんの寝顔を見つめながら、オナニーしてるの、目撃しちゃったんです。アナルに指突っ込んで」 あっけらかんと蓮太くんが言う隣で兄が真っ赤になってる.... 「そ、それ、内緒にしてくれるから、俺、話し聞くって....」 「アホがビッチになりそうで、どうでも良くなりました」 兄がプルプルと今にも泣き出しそうになりながら、子犬のように震えている。 「僕、αだから。優斗さんのフェロモンに気づきました。でも、発情するほど、好みな香りではなく。アロマにいいなって、オナニーに夢中で気づかない優斗さんの隣で眠りました」 だから、兄の隣で眠ってたのか....。 でも、好みの香りじゃない、て....なんだか複雑な気分です....。

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