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第34話

「今頃、優斗と奏斗、盛り上がってるかなあ」 大貴の部屋。ベッドに恭一と並んで座り、恭一は嬉しそうな隣の大貴の笑顔を見つめた。 「だな、安心した」 「蓮太と出来てた訳じゃなくって良かったー。協力してくれて、ありがとう、恭一」 「まあ、別に、奏斗とイチャイチャして、優斗を心配させれば良かっただけだし...にしても」 「うん?」 「俺もさ、本当言うと少し心配だったから、安心した」 「...心配?」 恭一は大貴と向き合った。 「お前がさ、王子から食事に誘われた、て聞いたとき、本当は少し心配だった。お前と王子が出来ちゃうんじゃないか、て」 「...王子が俺をタイプな訳がないみたいに言った癖に」 「そりゃ、お前をタイプだと思っていいのは俺だけだから」 ポカン、としていた大貴だったが、見る見るうちに真っ赤になった。 「そ、それ、どういう意味」 「こういう意味」 恭一は大貴の顎を持ち上げ、大貴の唇に唇を重ねた。 「な、な、なにすんだよ!」 「嫌だった?」 「い、嫌じゃない。嫌じゃないけど...!」 「お前が嫌なら諦める」 大貴は真っ赤な顔を俯かせ、恭一の浴衣を握った。 「い、嫌じゃない...」 恭一の腕が伸びてきて、抱きすくめられた。 「腐れ縁だけど。お前だから、ずっと一緒にいたい。誰かの為に一生懸命になれるお前が好きだ」 「う、嬉しすぎてヤバい...」 と、その一方。 慶太と蓮太の部屋。 ツインの1つのベッドで、蓮太がハリセンでしばかれ、眠っている傍ら、ベッドに座り、慶太はスマホでゲーム中。 「こ、ここは...」 目を開くと、あちこちに力士のポスター、自室だと気がついた。 「あっ、起きたー?蓮太」 むくっ、と蓮太が起き上がる。 「ヒート起こした奏斗に蓮太、反応しちゃったからさー、ハリセン借りたー」 「...嫉妬したんだろ」 「え?」 「奏斗さんに反応したから、兄ちゃん、嫉妬して、ハリセンで張り倒したんだろ」 横目で慶太は蓮太を見た。 「な訳ないじゃーん。優斗の彼氏に盛るなって、それだけだもー」 蓮太は浴衣の背後に手を伸ばした。 「....ハリセンがない」 「隠したー」 ペロ、と慶太が舌を出し、おどけるが.... 蓮太はわなわなと震え始めた。

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