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やりかけ
食べ散らかしにしたまま、春斗は全裸で縛られた。
後手と腰で縦に吊られ、膝を畳まれて、床スレスレに持ち上がる。
口も手ぬぐいで塞がれる。
その心地良さにうっとりとした気持ちになりながらも、ゴム手袋や咲の差し入れ、ブジーやらをトレーに入れて戻ってきた清太郎を見た途端に怖さが勝って涙が溢れた。
「まだ何もしてないのに泣いてるの?」
口を塞がれているため、首を大きくふって恐怖を伝えようとするが、それは単に清太郎を楽しませるだけの反応だった。
「これ全部試したら、どのくらい泣くかな?」
春斗の喉がひくりと鳴いた。
手袋をしてから消毒して、ブジーとペニスの先も軽く拭われる。
先走りが糸を引く。
ブジーには滅菌ジェルが塗られ、先端の少し曲がった金属のブジーを流れる様に入れられる。
「痛い?」
春斗は首を縦に振る。
「もう少し太くしよう。」
横に必死に振る。
「昔ね、細い方が痛いって言われて。気になって自分でも入れてみたんだよね。本当だった。だから大丈夫だと思う。」
そう言って一つ隣のブジーを消毒しているが、目に見えて太い。
清太郎が言うなら間違いないという思いと、騙されてるのではないかという思いがせめぎ合う。
「入れるよ。」
先程は勝手に入れたのに、今回はニヤニヤ顔で宣言してくる、何故だかペニスの先からは透明な液体が溢れてくるのだ。
そして、ズルズルと、硬くて冷たい滑らかな金属が、身体の中に押し入ってくるのだ。
今度はただその感覚だけを感じた。
そして、開発済の前立腺に至ると、今までに無い方向から突かれ、ガクガクと勝手に身体が揺れた。
清太郎は、片手でブジーを操りながら、もう片手をアナルに伸ばす。
挟み込まれる前立腺は、快感を爆発させた。
いきっぱなしになり、いく度に縄はキツくなり、全身が収縮と弛緩を繰り返した。
いき終わると一拍置いてすぐに優しく揺すぶられてまたいく、すぐにまた始まる、いつまでも続く快感に春斗は叫び続けた。
半ばまではきちんと手ぬぐいを噛み締めていたのに、口が緩み、手ぬぐいの吸いきれなくなった唾液がぽたぽた垂れる、縄による全身の愛撫と前立腺の挟み打ちは、春斗の脳をオーバーヒートさせた。
反応のなくなった春斗を確認してから、清太郎はアナルから指を抜き、ゴム手袋を脱ぎ捨てた。
目を覚まさせる様に、ブジーを入れたままペニスを扱いた。
前立腺の快感から、急にペニスの快感に移り、少しの間無反応だった春斗も、身体に力が入り、顔を仰け反らせて、赤くなり震えた。
鍛えている筋肉が隆起して、痙攣している。
そろそろかという所で、ブジーをスルリと引き抜かれ、ブジーと一緒に精子が吹き出した。
その吹き出し方は勢いがあり、清太郎の髪と顔面にかかった。
掴んだままのペニスの先から、更に液体が吹き出して、それも避ける間も無くかかった。
「失敗した……」
清太郎は苦笑いになった。
吊り縄を下ろし、手首と足を外してすぐに、春斗はぼんやりしたまま清太郎に抱きついて初めて、清太郎が自分の物で汚れているのを見つめ、余計に汚れるからいけないと思いながらも、髪を口に含み、舌を這わせて自分の体液を拭う。
おでこから、瞼、鼻、頬、顎、そして、唇を触れるほど近づけると、清太郎の唇を舐め、押し入り、舌を絡ませていた。
殆ど飛んでる様な細められた春斗の目と、男らしい顎から太い首筋に清太郎は見惚れ、唇と舌、そして掴まれた首の後ろと腰が抜ける様な、ジリジリとする感覚を味わい、その気持良さに溺れそうになる、ぎりぎりの所で春斗の舌を噛んだ。
「うっぐっ、あっごめなひゃい。」
舌を解放されると、春斗は口を手で抑えていた。
「ごめんなさい、本当に無意識でした……ごめんなさい……本当に、ごめんなさい……」
春斗自身、何がどうしてこんな破廉恥な事をと思う気持だ。
清太郎の方も、何もかも避けそこなって自然にそうなった感覚を不思議に思う。
確かに春斗とSMをしていると、性欲が刺激される。
それは、前の晩に自覚している。
この二ヶ月、忙しかった為にご無沙汰、というには激しい欲情だ。
そろそろ春斗が他の女王様に行くかもしれないと思ったら、居ても立っても居られずに拉致しようと思った。
こんなに満たしてくれる人は他に居ないと思わせたかったからだ。
湧き上がってくる独占欲に、清太郎は整理をしている真っ只中だ。
「咲様からの差し入れは今度な。」
「そ、そうですね、昨日と今日は、本当にありがとうございました、凄く、凄く、幸せでした。」
二人はどうにも気不味い空気感のまま、身を清めて解散した。
春斗は帰路、粗相をしてがっかりさせ、このまま清太郎に捨てられるのでは無いかと考え、じわりと涙が浮かんだ。
呆然とした清太郎の顔が、目に焼き付いて離れなかった。
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