40 / 51

昂り

 汗の乾いた少ししょっぱい清太郎の肌を、春斗は舐め回していた。  脇の下、耳の裏、背中、太腿。  春斗はそれだけで幸福感に満たされて勃起した。  シャワーを浴びようと、風呂場に向かった清太郎を追い掛けて捕まえた。  足の甲や裏にキスをする。  清太郎の方も心地いい顔をしている。  指の間のくすぐったさにゾクリときて、ムクリと勃起したところで、清太郎はシャワーを全開にし冷水をかぶった。 「つめった!!!」  清太郎はふふふ……と笑う。  そして、シャワーは次第に温かいお湯に変わった。 「ちゃんと洗え。」 「はーい」  シャンプーを泡立てて、清太郎の髪を洗い、トリートメントを馴染ませてから、ボディーソープを泡立てて全身を洗う。  ヌメヌメとした肌が堪らず抱き着かんばかりにわざわざ後ろから前を洗う。  勃起した春斗のペニスは、少し背の低い清太郎のお尻を小突く。  ボディソープで柔らかいお尻にペニスを滑らせて、春斗は興奮で息が荒い。  度々一緒に風呂に入っていても、変わらずいつでも興奮できると再認識する。  洗い終えた清太郎に温かいココアを入れてソファで寛いだ。  身体の大きい春斗の胸に伸し掛かって寛ぐのが、この頃の清太郎のお気に入りだった。 「清太郎さん、こっち、舐めてもいいですか?」  清太郎のペニスを指で撫でる。  風呂場の時と違って柔らかい。 「ん。」  ソファとテーブルの間は、常にマゾが座れる距離感で設置されている。  一般的な使い勝手で言えば少々離れ過ぎだ。  脚を床におろした清太郎のズボンと下着を一気に引き抜いて、春斗は清太郎の脚の間に座る。  春斗の頭を抱え込む様に倒して、手首を後ろに纏めてインシュロックで拘束した。  この家は手の届く所には、何かしらの拘束具がある。 「舐めるなら手は要らないからな。」  春斗は、清太郎のペニスに頬擦りして、玉に舌を伸ばす。  極部も脱毛済でツルツルしている。  ふっくらした玉を舐めれば、ゆっくりと清太郎のペニスが復活していく。  竿を唇でなぞって、亀頭を舐めると、ぬるりと先走りの味がする。  陰部の空気を吸い尽くそうと、春斗は深呼吸すると、頭の奥がぐにゃりと溶ける。  咥え込んで上下すると、清太郎は春斗の頭を掴んで突き上げてくる。  ゲフゲフ言いながら、イラマチオされた。  一度大きくえづいて、頭を引いてしまうと、目のあった清太郎は満面の笑みだ。  気を取り直した春斗は、再び顔を埋め、今度は会陰部を舐めて肛門に舌を伸ばす。  ソファと肛門の隙間に、ググッと舌を押し込むと、ひだの感触と、革の感触がする。 「ソファが汚れる……」 「じゃあお尻上げてください……」  清太郎は春斗の髪を鷲掴みにして、再び春斗がえずくまで突いた。 「生意気な奴め。」 「でも、清太郎さん今は疲れてて、丸投げセックスしたいでしょ? せめて舐めて吸い尽くさないと、寝てる僕を置き去りにして遊びに行くし……」  えずいたせいで涙が出ているのか、悲しくて涙が出ているのか、春斗自身にはよくわからなかった。  ポタポタと、清太郎の太腿に雫が落ちる。 「気づいてたのか。」 「気付いてましたよ。拉致られた日も、その他の日も……別に僕がとやかく言う事では無いんですけど。ちょっと、ちょっとだけ、寂しいかなーと思うんですよ。」  清太郎はここをねじ伏せて、お前には無関係だと突っぱねても良い。  それをしてもいい立場にある。  ただ、身勝手に寂しがらせるのは個人的な流儀に反する。  マゾの願望を叶える為に、我慢すれば良いだけの事だが、自分の願望や欲求を湧き上がらせる張本人が目の前の男なのだ。 「どうやったら、清太郎さんが満足するのか、今考えてるんです。」  清太郎の太腿に頬を擦り付けながら。 「今日は、どこも行かないよ。」  努めて優しく、春斗の耳を撫でる。  春斗はヘラっと笑う。 「でも、清太郎さんに我慢を強いるのは嫌なので、奴隷として、ただのディルドとして使ってもいいんですよ。」  立ち上がった春斗は、パジャマ越しでもわかる、ギンギンかつ先走りダラダラのペニスを清太郎のペニスに押し付ける。  清太郎はゾワッと下腹が痺れる。 「嫌なら使わなくても良いです。使ったからって図に乗ったりしないように気を付けます。」  甘い顔に似合わない、春斗のペニス。  清太郎は春斗の顔を眺めてから、目を覆った。 「俺は動かないディルドは要らない……」  そして、春斗のインシュロックを鋏で切る。 「僕は、どんな清太郎さんでも離れないですからね!」 「お前、深月と咲さんに何処まで聴いたの……」 「酷いエゴマゾに引っかかった事は聴きました。」 「俺がおかしくなった所は?」 「酷いショックを受けたとしか。」 「相手の妻が出産して入院してる病院に突撃しようとして親父と仲間達にとっ捕まった。」 「それはなかなか過激ですね。」 「俺が子供だっただけだけど……」 「ゾクゾクしますね。どんとこい。僕は独り身ですし。隠し子も居ません。」 「そのうち殺すかもよ……」 「そうしたくなった時に考えましょう、二人で一緒に。」  春斗は真面目な顔を作ると、清太郎は呼応する様にヒクリと息を呑む。 「抱いて良いですか?」  清太郎の戸惑った様な、怯えた様な、緊張した表情は初めて見る。  目が游いでいる。 「目隠ししましょう。僕からは清太郎さんが感じてても見えない。喋らない。ただのおもちゃです。」 「目を潰して口を綴じるか……」 「ああ、そういう事か……潰さないで欲しいですけど……とりあえずベッド行きましょう。」  清太郎を軽々と前抱きにして、ベッドルームに早足で向かう、春斗の首に抱きつきながら、清太郎は強張った顔のままで、心臓はバクバクいっている。  当然春斗にもその戸惑いは伝わっている。  春斗は清太郎をベッドにそっと下ろすと、服を総て脱ぎ捨てた。  程よく厚い胸板や、割れた腹筋、美しい腹斜筋が清太郎の目の前に晒される、何度も見ているが、この先を想像するといつも以上に酷く甘美に見える。  春斗は機能が停止している清太郎を眺めてから、ベッドサイドに常備してある黒い帯状の布で目隠しをする。  清太郎は、抱くことに対して良いともダメとも言わなかったが、拒否しないことを是と捉えて、春斗は清太郎に手を伸ばした。    

ともだちにシェアしよう!