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第2話
いやはや、できる男と言いますか、僕だってこれくらい余裕ですから!褒めて!と尻尾をブンブンブン回して甘えてくる大型犬
駒沢翔太25シャイ(成人男性)は、仕事が早かった
俺の社宅の解約、家賃3万円のアパートの解約、マンションの購入、引っ越し、番の登録に必要な書類の作成、婚約発表に向けての計画など、俺が退院するまでに終わってた
駒沢くんに引き伸ばされて3週間、入院させられていたもんなぁ
しかも本社に近い病院の特別室に転院させられたんだ
仕事が忙しいのに、俺にいつでも会いたいからって無駄遣いって怒っても利きもせずに転院を決め
顔を見るだけしか時間無いのに、意地でも時間作ってこようとするから、夜だけ帰って来させたよ
秘書の方も大変な思いをしたんだろうね、俺の手を握ってありがとうございますって頭を下げてたから、本当にすいません、うちの(大型犬)がご迷惑をおかけしましてって頭を下げておいた
駒沢翔太25シャイ(成人男性)が、繋いでた手を引き離して秘書を威嚇しながら俺を抱きしめた
トントンと背中を叩いて、頭を撫でてやればほらご機嫌さん
チョロい、チョロすぎる
こんな社長で会社は大丈夫なのだろうか
「ほらほら、家に帰るんだろ」
うん!と返事はすごく良い
でもな、これでも俺は成人男性なんだよ
片手で縦抱きされる身にもなれ!
お姫様抱っこが良いの?って俺に聞いてくるな!
意地でも歩かせる気がないのは理解したから、これ以上俺のメンタルを削ってくるんじゃ無い
お姫様抱っこにされないように必死に首にしがみついてやったら、大喜びして破顔している駒沢くん
あーダメだこれ
駒沢くんのこの笑顔みたら俺の方が全部許してしまいそうだ
ちゃんとこっちが手綱を握ってやらないと!
よく分からない闘志を燃やしている俺だった
「駒沢くん、、、、ここリビングだよね?」
「亮平も駒沢です!ちゃんと名前でよんでください」
いや、うん、そうなんだよ、俺も駒沢なんだよ
いや、そう、そうなんだけどさ、だけどね
「なんでリビングにベッドも、書斎に置きそうな机も、いっぱい置いてあんの?」
部屋数もいっぱい、洋服部屋なんて部屋もあったよね
いや、意味わからないって顔して首を傾げないで
こっちが困惑しているんだから
「ベッドは寝室に置こう?翔太が仕事する時とか俺がテレビ見ながらそばにいちゃ邪魔になるじゃん?翔太がしている仕事を見てもわからないと思うけど、俺は見ちゃいけないと思うんだよ?」
え?待って
なんで悲しそうに怒ってんの?
「亮平さんと同じ所に居たいですし、仕事も出来るだけ持って帰らないようにしますが、海外と仕事している以上時間に制限かけれませんし、それに、亮平さんのお世話が出来なくなりますし、俺が仕事していても、亮平さんが何を見て何を聞いて何を食べたりしているのか、知っていたいですし」
んんんんんんんんん!!
どれだけ俺が好きなの!!
もう良いよ、良いよ
好きなだけ一緒に居よう、もう許すよ、許しちゃうよ
俺の全てを知っていたいとか本当に俺バカだなぁ
「翔太、分かったから俺をベッドに下ろして」
可愛くおねだりした俺をベッドに下ろすことなく、俺を抱きしめたままソファに腰を下ろした
俺が成人男性ってわかってるよな?
翔太、待ってほんとお願い
こちとら成人男性じゃこら!
軽々しく片手で抱き上げてウロウロするな!
「喉乾きましたよね、帰ってきたら飲んでもらおうと買っておいたジュースが有るんですよ」
じゃねぇわ!とりあえず、一旦俺をベッドでもソファでも良いからおろせ!
「はっ!まさか……、翔太……家にいる間ずっとくっついている気か!?」
「え?離れないといけない意味がわかりませんが?」
頭カクンって右に傾げるの、やめろ!
可愛いがすぎるだろうが!
おんぶ紐でも買うか?
俺への愛の大きさを改めて実感
「秘書検定でも受けるか?」
「仕事中も一緒………仕事中も……一緒………」
やめておこうかな、これは仕事にならなくなるのが簡単に想像がつくな
「翔太が仕事出来なくなるから、俺は家で大人しく待つ!」
翔太くん25歳、苦渋の決断を迫られた顔して念仏唱えてる
ほんと何この子
あれ?社長だよね?
マジで会社運営しているのよね?
倒産しないよね?
さすがにお腹が押されて苦しいと訴えるとソファに下された
テキパキとジュースにおやつに軽食を運んで、手拭きに、膝掛けに、背中にクッション置いて
何この子!!優秀が過ぎませんか!?
「映画でも観る?」
「先に電話!さっきから鳴ってるじゃん!仕事してる姿、見たいなぁ」
シュタッと立ってスマホを取り出して、通話に出る
そしてパソコン開いて仕事を始めた翔太
待って!!どこの映画のワンシーン切り抜いたの!!
本当に翔太の出来る社長姿がカッコ良すぎて、クッションを抱きしめて身悶えるしかない
チラッと見たら、翔太も見てて
んんんもうううう!!
ウィンクって!!ウィンクがバチンって!!
くううううぅぅぅぅ!!
俺の心臓が、ドキドキのバクバクで忙しいじゃんか
ふぅ、少し冷静になろう
コーヒーでも淹れて気を紛らわそう
だーかーらー!
ついてくるんじゃない!
仕事しろ!
口パクで伝えてもわかってるはずなのに、耳を近づけてくるな!
キッチンに立つ俺の横を陣取って、それでも仕事は出来ているようで
慌ててペンを取りに行って、
いやだからさ、そこでしなさい!
でっかい机があるんだから!!
コーヒー淹れて机に持っていく事すらさせてくれないのか!
「お疲れ様って、差し入れたかったのに」
そう零す俺の横で、して貰えばよかったと、懺悔している駒沢翔太25歳(大型犬)
飼い主は大変だなぁ
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