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第8話

「…でもこのままじゃ…」 尚も食い下がる男の手を払い除けたその姿におかしな話だが感動していた。俺には触らせてくれるのに他のやつはだめだなんて…そんなの… 「すいません。俺の連れなんです。気にして頂いてありがとうございます。立てる?」 そう言って彼を抱き寄せる。 「連れがいたんだね。良かった」 そう言うと男は悔しそうに去っていった。 「で?ここで降りたってことは」 コクリと頷くと俺のスーツの裾を遠慮がちに握る 「…あなただったんですね」 「そうだよ。どうする?俺をどこかへ突き出すかい?」 「あなたにもっと触れて欲しい…」 「いいよ。けれど体平気?」 「これは…あなたが…」 「そうだね。じゃあ行こうか。俺の家はここの近くなんだけど…流石に家は嫌?」 「やじゃない…」 その言葉に気を良くして彼の肩を抱き帰宅した 玄関に入り鍵をかけると壁に彼を押し付けた 「ねぇ。キスしても?」 小さく頷いた彼の唇。ずっとずっと触れたかったんだ… 「嫌じゃない?」 「…もっ…と…して?」 「了解…」 何度も角度を変え啄むように。キスを覚えたばかりのガキみたいに拙いキスしかできない自分を心の中で笑いながら。 そんな俺に痺れを切らしたのか彼の小さな舌が歯列をなぞりノックする。それに従って薄く開くと俺の舌を絡み取り吸い付く 「っ…ん…」 「ねぇ。慣れていないの?」 その挑発が楽しくて 「…どうだろうねぇ」 けど悔しくて俺の知ってることを総動員して彼を追い詰める 形勢逆転。彼は桃色に頬を染めて俺に縋り付く 「やるじゃん…」 「キャラ変わってない?」 「幻滅した?」 「いや。最高」 「わわわっ!」 彼を横抱きにして部屋の中に運ぶ。そのまま寝室に通しベッドに彼を下ろし、自分のネクタイを緩めジャケットを脱ぎ捨てる 「うわぁ…いい体」 「そう?脱がせるよ」 「ん…」 彼を包み込む布を一枚一枚丁寧に剥ぎ取っていく。 「へぇ…いつもこんなのつけてるの?誰かに見せるため?」 彼が身に着けている一番下の薄い布。ほとんど機能は果たしてない限りなく面積の狭いセクシーな下着だった。綺麗な彼によく似合っていてその姿に更に欲情を煽られた 「…あんたに…触ってもらいたかった。これだったらすぐに脱がせられるでしょ?」   「何の誘い文句?まぁ。いい…可愛いね。よく似合ってる」 そっと彼にキスをして布越しに彼の分身にも口づける 「ん…」 男なんて抱いたことはない。妄想の中で彼を抱く以外は…余裕なフリをしているけれどさっきの言葉は俺にダイレクトに響いた。 「君の期待にお答えして…その姿まだ見ていたいし勿体ないけれど脱がせるね」 横の紐をスルスルと解くと彼の美しい造形のものが目に飛び込んでくる。既に固く張り詰め上を向いているその姿も愛しく思え、再度そこに唇を寄せるのだ

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