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第24話
そんな俺にこの人は…今何と言った?
「助けてって言って…」
「は!?」
意味がわからない。俺が助けを求めてる?
「嘘でもいい。助けてっていって。」
本当に意味がわからない…
「何言って…くっそ…この馬鹿力!!離せ」
これ以上強く抱きしめないで…何かが溢れそうになる…
「樹優。君は誰かに愛される資格がある」
そんなこと言わないで…いやだ…
「は?」
「そして誰かを愛する資格もある。そして誰より自分自身を愛する資格があるんだ」
そんなの…オーナーや家族以外の誰にも言われたことない…みんな俺の見てくれだけで隣に置くだけでいいって…そう思ってる人ばかりなのに。
怖い…俺の中の何かが溢れてしまいそうで怖い
「助…けて…」
勝手に言葉が出てた…この訳がわからない男の前で…その言葉と一緒に頬を熱いものが伝っていった
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