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3 準備おっけー?

「で、何の用だ、怜仁」 「そ、そうでした。旦那様、退魔の依頼です」  怜仁は慌てて自分の背中に出てきていた『脚』を引っ込めると、直立不動に戻ってからそう報告する。 「そうか。見せてくれ」  俺がそう言うと、怜仁が机の上に紙を置く。すかさずヴェルルが紙を覗き込もうとするのを、怜仁は汚らわしいものを見るような目で睨みつけた。 「えー、なになに、カラス憑き? うわぁ、何かめんどくさそう」  あからさまに嫌な顔をするヴェルル。  お前は自分の立場を分かっているのか? 「夜になると、H田神社の境内に無数のカラスが集まってきて、激しく騒ぎ立てるようになった、か。確かに、カラス憑きのようだな」 「ボク、パスね。夜に動くと肌が荒れそう」 「ちょ、ちょっと待ってください。鳥は、私の天敵です……」  怜仁は、自分が『蜘蛛憑き』だということを前向きに受け入れている。だからこのような言葉も自然と出てくるようなのだが……  もしかして怜仁は、自分が『女郎蜘蛛』だから『女の格好』をしようとしているのかもしれない。  怜仁、残念だが、お前はオスだ。 「ジョロリン、今夜は『旦那様と一緒』なんだろ? 任せた♪」 「それは職務放棄です。ヴェルルは狐なのですから、鳥の相手は得意でしょう」  俺の取り合いの後は、退魔任務の押し付け合い。全くもって…… 「分かった。では、同行した方と今晩一緒に寝るとしよう」  俺がそう言った瞬間、二人の瞳が妖しく光る。そう、まるで『餌』を見るかのように…… 「なんだか急に行きたくなってきたから、準備しよっと♪」 「鳥くらい、怜仁必殺の『すぱいだーねっと』で緊縛です!」  などと好き勝手なことを言いながら、二人は出動準備をしに、各々の部屋へと戻って行った。  それを見送りながら、また一つため息をつく。  これがここ、『(ひいらぎ)神室(かむろ)退魔事務所』の日常だった。 ※ 「お前、それが『準備』なのか……」  準備ができたと言いながら部屋に入ってきたヴェルルを見て、私はまた頭を抱えた。 「あれ? 何かおかしい?」  着替えるのかと思いきや、相変わらずセーラー服のまま、なぜかブルーのアイシャドーを塗ってきたヴェルル。  シャドーとネクタイに合わせたのか、銀色のボブヘアにも、青いリボンが結ばれていた。似合っているだけに恐ろしい。 「おかしくないように見えるのなら、眼科へ行け」 「んー、クールビューティをめざしたんだけど、やっぱりリップも必要かな?」    そこじゃない。 「TPOを考えろ。今からどこへ行くつもりだ?」 「デートにきまってるじゃん」  そう言いながらヴェルルは、俺の腕を取り体を寄せてくる。そして、胸のまな板と股間のふくらみを俺の腕に押し付けた。 「セーラー服美少年戦士とデート出来て、カムロンもうれしいだろ」 「お前は発情期の犬か」 「ボクは、キ・ツ・ネ♪ はぁ……はぁ……な、なんか、興奮してきたね」  顔を赤らめ、ヴェルルがうっとりしはじめる。俺はヴェルルから、力いっぱい腕を振りほどいた。 「俺たちが今から行くのは、神社だ」  途中で行為を遮られたヴェルルは力いっぱい不機嫌な表情を見せる。 「だから神社でデートじゃん?」 「退魔だ!」 「似たようなもんだろ」  そう言いながらヴェルルは、デスクに腰掛け、ゆっくりとスカートをまくり上げた。  パンティからは硬くなったモノが、先端を粘液で濡らしながら、顔を出している。 「ボクに言うこと聞かせたいのなら、すること、しないとね」  ヴェルルが妖しく微笑む。  俺は、「はぁ」と一つ大きくため息をついた後、ヴェルルのペニスに顔を近づけ、咥えこんだ。

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