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第33話

 夢中になって猫のように舐めていたら、苦笑を滲ませたやさしい声が降ってきた。 「あっ」  腕を取られ、くるりと身体を反転させられる。後ろから抱きしめるように、崇嗣さんの手がマルの胸に触れた。 「崇嗣さ――……、あっ、あん……っ」  マルの首筋に顔を埋めた崇嗣さんの指が、悪戯をするみたいにマルの胸を弄る。その間にも、崇嗣さんの唇は肩の丸みから肩胛骨を辿っていく。いつの間にか解かれたズボンの前開き部分から屹立したペニスが痛いほどに張りつめ、透明な滴を零していた。 「あっ、あん、あん、あぁ……っ」  崇嗣さんの手に包まれ、軽く何度か擦られた瞬間、マルはびくびくと震えながら吐精していた。 「マル」  汚してしまった下着ごとすべて脱がされる。崇嗣さんはサイドテーブルに手を伸ばすと、置いてあったペットボトルの封を切り、口移しで水を飲ませてくれた。一度に飲みきれなかった水が、マルの喉から胸へと伝い落ちる。濡れた唇に崇嗣さんの指が触れた。その瞳がまっすぐにマルを見る。 「お前がロボットでもそうじゃなくても構わない。お前が好きだ。マル、お前が無事でよかった」  ――ああ……。  そのときの思いを何て表現したらいいのだろう。泣きたいほどの幸福感がマルの胸を満たす。  腕の中に抱きしめられ、何度も口づけを交わした。恐れることは、何もなかった。ロボットも人間も関係ない、崇嗣さんの腕の中で、マルはただその存在を認められ、そして自由になった。 「んっ、あ、あっ、あぁ……っ」  波打つシーツの上で、崇嗣さんに全身を愛される。崇嗣さんが触れた場所から熱が広がるように、快感が伝わってくる。 「腰を上げて」  身体をずらし、白い臀部を彼のほうに晒すと、はっと息を飲むような音が聞こえた。 「――まったく目の毒だな」  苦笑を堪えるようなその言葉の意味を問いかけようとしたとき、臀部に濡れた感触がして、マルはびくっとなった。  崇嗣さんの舌が会陰のあたりを辿ると、マルの内側に入り込んだ。熱く濡れた感触がマルの反応を確かめるように、ゆっくりと快楽を引き出していく。

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