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第26話 もっとさわって ※注意
俺は夢を見ている。
良い匂いに包まれて幸せな夢。さくら組の陽くんちの柔軟剤の香りに似ている。
匂いを吸い込むたびに、体が熱くなる。
茶髪パーマの変態おじさんが、「気」と言っていた、それなのだろうか?。俺は発情している夢を見ているのだろうか?。
誰かが俺の背中を少し持ち上げ、俺の口に何かを入れようとする。
変態おじさん!?。身体がすくむ。
「心配いらない。傷の回復薬だ。飲んでくれ。」
耳に心地良い少し低めの落ち着いた声が耳をくすぐる。
この人の声、聞き覚えがある。誰だっけ?。
俺は言われるがままに、その液体を飲む。
うぅ、夢の中でもやっぱりまずい。
「良い子だ。」
褒めてもらえたことが嬉しくて、頬が緩む。
じゃなくて~。
何で俺はこの匂いを嗅ぐと思考が阿呆になるんだろうなぁ。匂いに酔っているのか?。マタタビか!?
知らない人から物を貰っちゃダメだと、蒼士にめっちゃ怒られるぞ。俺。
その人は、褒美だと耳に囁き、俺の頬を舐め、唇を舐め、口の中を舐める。
舐められたところが熱い。触れている身体の体温が、その熱が心地良い。
「ぁ。」
俺はもっと舐めてもらいたくて、その人の頭に手を回し口を開ける。
指に絡まる髪の毛の感触も柔らかくてとてもいい。
するとその人は、俺の鼻を舐め、唇を舐め、口腔内に舌を入れてきた。
舌は歯列を舐め、口腔内をまさぐり、俺の舌をとらえる。俺もその人の舌を受け入れ、その舌を捕らえ、お互いに舐めあった。
「ん、ん、ん。」
口の中には二人分の唾液がたまり、俺はそれを飲み込む。
これ、キスだよなぁ。
夢の中でも男が相手かよ。でも、嫌じゃない。むしろもっとして欲しいと思ってしまうのは、マタタビ効果のこの匂いのせいなのだろうか、それとも、俺がやっぱり淫乱だからだろうか。
「あ、あ。」
俺は気持ちよくって、身をよじる。すると、その人の足が俺の足の間に入り、俺は内ももに当たるその感触がくすぐったくて、膝を立てる。
意図したわけではないけれど、両膝でその人の腰を捕まえたような感じがして、ちょっと恥ずかしい。俺の仕草に拒絶するわけでもなく、その人の仕掛けてくるキスが深まったような気がする。
お、俺、はだかなのか?、この人は服を着ているけど、夢だから良いのか?。
「ん、んぁ。」
俺は俺の行為を受け入れてもらえたことが嬉しくて、頬を緩め、力を抜く。
じゃ、ないだろ~。しっかりしろ!。俺!。
早くこの夢から覚めなくては。
まだ、のんびり夢を見ていて良い状態じゃないはずだ。茶髪パーマの変態おじさんが近くにいるかもだろう。蒼士に怒られるっ。
「そ、そーし、ゆー、ごほっ。こほっ。」
「ほぅ、俺を前にして、他の男のことを考えているのか?。」
その人の低い声と共になんだか空気が冷えた気がする。ちょっと肌寒い?
突然、さっきとは違う激しいキスに俺の身体がビクつく。大きな手が俺の頭と顎を抑え、その人が俺の身体に体重をかけてきた。
「う、や、ごほっ。」
その人は少し乱暴に、俺の乳首を何度も撫で、指でこねながら、俺の頬を舐め、顎を舐め、喉を舐める。
ど、どうしよう、怒らせちゃったのか。でも、心とは裏腹に、おへその奥が熱くなり、下半身に熱がたまる。
「はー、ん、ん、は。」
俺はその熱を逃がそうと呼吸をする。
その呼吸を奪うかのように、キスをしてくるその人に、さっきみたいに優しくして欲しくって、俺はその人の背中をさすり、頭の位置を確かめて、震える手でその人の頬を触ってみた。
「や、…、き、…、…、こほっ。」
うぅ、夢の中くらい喋らせろよ。
優しくキスして欲しい。俺のこと嫌わないで欲しい。この人にも気持ち良くなって欲しい。そんな気持ちが湧き出て止まらない。
俺はキスしたくて、口を開き舌を出す。
「ふっ。」
その人に笑われてしまった。
うぅ、嫌われてしまった。俺の身がすくむ。
「嫌ってないさ。おまえは可愛いな。そう言う積極的なところも、好ましい。」
そう言って、頬を撫でてくれる。
「も、は、…、き、こほっ。こほっ。」
もう怒ってない?機嫌なおして。
あぁ、言葉で伝えたいことがたくさんある。俺のことももっと知ってもらいたい。
その人の手が俺のおなかを、腰を、尻たぶを撫でる。
とたんに跳ね上がる俺の身体。
俺の固くなった下半身とこの人の下半身が擦れ合う。
うぅ、恥ずかしい。恥ずかしいけれど、心が喜んでいる。
その人は俺の乳首を舐める。乳首の先に舌を絡めたり唇ではさんで引っ張ったりする。
俺は我慢できずに身をよじると、腰回りをまさぐっていた大きな両手で俺の腰を捕まれてしまった。
「あ、あ、ん、んぁ。」
俺の逃げ道は無くなり、背筋を反って熱を逃すと、俺は自分から、この人に身体を差し出しているような気がして恥ずかしい。
その人は、俺の乳首から胸の間、おへそやおへそ回りを舐め、やがて俺の、がまんして蜜を溢れさせているところも舐めてしまった。
「ひ、ひぅ、う、うう」
俺はものすごい快感に、すぐにでも達してしまいそうで、涙が出る。
しかもそんなところ舐めて、俺のが出てしまったら大惨事だ。
この行為を止めさせたくて、上半身を起こして、その人の頭をそっと掴む。
その人は顔をあげる。俺と目が合う。
濃い金色の瞳が、キラキラの金色の髪の毛が、とてもきれいな男の人だった。
「おや、目が覚めたのか。良いぞ、このまま出してしまえ。」
「や、や。」
俺は、そんなことはできないと首を横に振る。
その人は構わず、再び俺の股間に顔を埋める。
ゆ、夢じゃなかったのか??。
不思議だ、変態おじさんの時はものすごく、ものすごく嫌だと感じたことを、この人が同じようにしているのはダメとは思うけれど、嫌じゃなくて、むしろ嬉びを感じている。
指を俺のお尻の穴に一本入れられ、中をかき混ぜる感触がする。俺の中は、痛みもなく、逆に気持ち良さが溢れてきて、イっちゃダメなのに気持ち良すぎて、どうかなりそうだった。
前にも夢の中でされたことがあった。
不意に記憶が戻ってきた。
あの時のお兄さんだ。
そう、思い出すと、更に快感を拾ってしまう。
「やぅ、や。お、おに、…、おに、、さ…、こほっ、こほっ。」
「うん?。思い出したか?。」
俺は、抵抗もむなしく陥落寸前だ。
手はお兄さんの頭をつかんでいたので、まるで俺がこの人に奉仕をさせているようで、くらくらする。視覚的にもやばい。
「やぅ、ぅは、は。」
俺は必死に離してくれるようにお願いするけれど、お兄さんは俺のものを口腔内で扱き、吸い上げる。
じゅるる、じゅるる。と音まで聞こえて、俺は羞恥心に身を縮めた。
「ほら、良い子だ。イけ。」
お兄さんに促されて、俺はついに達してしまった。
「はーっ、うぅ、うぅ。」
お兄さんが、俺の白濁を飲み下しているのまで感覚で分かってしまう。
俺は一気に襲ってきた脱力感に姿勢が保持できず、お兄さんの頭の上に身体を乗せる形で倒れこんだ。
お兄さんは俺の白濁を最後の一滴まで吸い上げると、俺の身体を支えながら、俺を優しくベッドへ寝かしてくれた。
「ひぅ、ぅ。」
俺を横たえたあと、お兄さんは俺の喉仏をもう一度舐め、甘噛みする。
「ゆっくりお休み、また迎えに来るからな。
その時には、おまえの名前を教えてくれ。
それまでは、俺のことは忘れておけ。」
お兄さんは、俺の耳元でそうささやくと俺の耳と首筋を舐めて出て行こうとする。
「ぁ。」
俺はその人が行かないように、衣服を指で掴んで、離さないように頑張っていたけれど、眠気に負けてしまった。
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