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第6話

「お前、すげえ綺麗だな」 「……っうるさい」  可愛げのない応え。 だけど俺の腰の下に押さえ込んだ雪斗の中心に熱い猛りを感じる。  俺はどんどん自分の中が熱く上気していくのを感じていた。 それは生理的なものじゃなくて……もっと内面的なやつ。  体をずらし、その膨らんでいるジーンズの前を寛げて、下着の上から掌で撫で上げると、雪斗は大きく体を震わせて…… 「―― ッ、い、嫌っ」  いきなり突き飛ばされて、俺はバランスを崩してベッドから落ちてしまった。  一瞬何が起きたのか分からなかった。 ベッドの上で雪斗も放心したように固まっている。 「……おい?」  声を掛けた瞬間、夢から醒めたように我に返った雪斗は、慌てて立ち上がると、乱れた服を直しながら凄い勢いで部屋のドアへと走っていく。 「ちょっ、待っ」  俺も反射的にその後を追う。  ちょうどドアノブに手を掛けたところで追いついて、肩を掴んで振り向かせた。 「放せよっ」 「どうしたんだよ」  そう訊いても、雪斗は必死の形相で俺の手を振り解き、部屋のドアを開けた。 「おい、待てよっ」  出て行こうとする肩を捕まえようとした手は届かずに、首の辺りでキラリと光った細いチェーンのようなものが指に引っかかった。  ピンッと張った感触がしたのは一瞬で、プチっと切れる音と同時に、反動で俺の体は後ろへ引っぱられた。  雪斗がチラッと俺を振り返ったのが見えたのとほぼ同時に、重いドアが閉まる。

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