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第7話 開閉

夕に一度開かれた倉庫の電子シャッターは深夜になってようやく再び開かれた。 重たく擦れながら引き上げられる金属音が鳴り、 霞かけた視界の中に、夕方と同じ衣装の顔色も何も変わらない、あの正夜が立っていた。 カード型のリモコンを何やらいじくり、こっちを見つつ、室内の照明や温度といった何かの調整をしているらしい。 電子音を手元で鳴らし、また元にあった位置に置いた。 「漏らしてるかと思った」こっちを見ずにソファにジャケットと荷物を投げ下ろし、正夜は喋った。 お生憎様だが、ここに来た時から今日一日まで飲まず食わずの俺は、生理現象が抑制できないことはなく、尊厳を崩壊させることはなかった。 ただし足の間の別の生理現象にはかなり悩まされた。 足の間のこれは黙っていても気持ちが良くなる部分に上手く当たるよう形が歪に作られているから、脚を動かす度、僅かに身をくねる度に、「スポット」に当たって俺を今の今までずっと悩ませてきた。 「…………なあー、帰してくれよー……もうそろそろ…………」 俺は激しく逆らうのを一時止めてみようと、正夜が帰ってくるまでの間に心に決心していたのだ。 「ダメ・だね」 正夜はこっちを見ないでこともなげに返答した。 「足の、取ってくれよー……後、水くれー……水…………」 なるべく弱々しく力無く話かけてみると、正夜は帰ってから初めてこちらを振り向き、光るような視線を一閃俺に向かわせた。 正夜はそのまま怖いくらいに目だけを光らせる無表情で俺の元にツカツカ歩み寄ると、靴を履いたまま、ベッドに腰だけかけ、おもむろに俺の足下に手を伸ばした。 「あぐっ!」 大きい手のひらが、そのまま入れた時のように乱暴にオモチャを無造作に引き抜いた。 きっと勢い良く抜かれた下部は元通りにはならずに、ポッカリと穴が空いている。 そのまま俺から抜いたオモチャを手にどこかへ持っていき、戻ってくるとコップを片手にしていた。 水がつがれていて、顔の前に持ってきたので、腕を縛ったまま、顔だけで飲めということらしい。 仕方なく口をつけたが、口の端から溢れる、溢れる。 溢れて水分は冷たく俺の喉や胸を濡らし不快にした。 しょうがなく、子犬のようにペロペロと舌だけ動かして水を舐めたら、俺の顔の様子を見る正夜の顔が冷たく無表情だったので、更に人間扱いされていないような悲しさを覚え煽られてしまった。 渇いた分だけ飲むと顔を横に背け、ウッウッとまた湧き上がる悲痛の涙を鼻で堪えた。 無機質な倉庫は、内にいる人間が一人から二人に増えても、微々たる差も表れず、ただただ冷たく広かった。 やっと腕の縛りが外された。俺は連行されるようにバスルームへと連れて行かれた。 バスルームの中は、まるで飲食店の厨房やスーパーの厨房のように水捌けが出来る無骨な石作りになっていて、排水溝の露出が多く、側溝のように長い排水溝が設置されていた。 床自体も僅かに傾面になっているようで排水を助ける作りらしかった。 足をつけると地となる床は、石のザラザラした材質の感触が足裏についた。 振り向くといつの間にか正夜も裸になっており、室内とは接続されていない、簡易型であるらしきシャワーを手に持ち俺に向けた。 「お湯に濡らしてる内にトイレも今の内しちゃえよ。戻ったらまた腕縛るんだから」 また縛る、などと聞いてしまいたくない無慈悲な発言がまた俺の耳孔を責める。 実は膀胱がそろそろ限界にまで達しようとしていたので、俺はもう恥ずかしいものを見られまくったのでこれ以上はないや、と思って、シャワーに紛れてしてしまった。 垂れ流す間も正夜にずっと顔を見られていたので、やめてくれよ、と目を背けた。 青い容器のポンプから噴射された、泡立てられたボディソープが、正夜の掌上に溢れて指の隙間から流れ落ちている。 そのまま泡の塊で撫でられ身体を洗われた。 洗われながらあちらこちら触られた。 胸や足の間を何度も指が意図的に通過した。 立たされたまま指は滑るように俺の後ろ孔まで入っていき中まで洗われ、拡げられ、適温の温かさのシャワーを内臓の内側に浴びせられた。 「う……う……う…………」 呻くが、背後から腰を当てられ、再び犯された。 立ちながら抽送され、剥き出しに露出された壁の排水管に捕まり必死で耐えた。 泡とともに奥から入り口まで硬い質量あるものが無情に行き交い、苦しみと違和感と快楽が複雑に混ざって襲った。 床に白い液体が二人分滴りすぐ水に流されて側溝に消えていった。 ベッドに戻らされると宣告通りに、すぐ腕をベッド柵へと、今度はうつ伏せになる形で縛られた。 当然四つん這いにされ、尻は高くあげさせられる形で、腰にぶら下がっているちんこを散々責められた。 先端から粘液を糸引いて垂らしながらイッた所でまたすぐ擦られ、敏感になる中を、更に快楽の高波が押し寄せてくる。 2回イッてしまうと、前を大きな手のひらでくるまれ包まれ、やにわにと動かされながら、後ろの穴も同時にいじられることとなった。 さっきシャワーの際に正夜のモノを受け入れた穴は、あてられた硬い無機質な棒状のモノをするすると簡単に呑み込んでいった。 (……冷たっ……) 細く長い挿入部分にはゼリーのようなものが付着していて、それが益々ひゃっこさを増していた。 指が後ろの穴の周辺部を触り円を描くように揉み込み、指腹で押しながら、棒を入り口までまどろこしく引き抜き、深く奥まで激しく突き刺すのを何度も繰り返された。 正夜の腕が休むと、シーツに顔を埋め、深呼吸を何度も繰り返し、身体の救いを求めた。 カチリ、とスイッチが入った。 電動バイブらしかった。 嫌なうるさい振動音を出し、いきなり最大パワーにされ、機械は正夜に続いて、俺の穴を一人でに躍動し、時間をかけて犯していった。 そんな調子で、ずっと正夜の体温ある肉と体温無い機械に交互に犯され、穴の内側にある、秘なる快感の隠された部分は更に敏感になり感じやすくなっていった。 いつしか尻に棒状のモノが入れられるだけで、俺のちんこは勃ち上がり反り返りピクピクと揺れて腹までついていく反応を示すようになった。 動かさずとも侵入を感じただけで快楽を待ち望もうとするのだ。

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