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クリスマス番外編④
「だから、皓太のところは、そうやっておばさんたちがちゃんと信じられるようにがんばってたんだなって思って」
皓太のおばさん、優しいから好きなんだよな、と世間話のような調子で幼馴染みが言う。いつものことだ。だから一役買ったということでもあったらしいが、べつにふつうの親だけどなぁ、としか自分には思えない。
母は母で昔から成瀬のことを気に入っていたから、実の息子に対してよりも優しく接していた可能性はあるが。
――まぁ、璃子さんは「お母さん」って感じではないもんな。きれいだけど。
美人だとは思うが、ものすごく高い防御壁があるというか、怖いというか。かわいがってもらっていないわけでもないのに、声をかけることをいまだに少しためらってしまうものがあるというか。
そういう意味では、幼馴染みはよくこういうふうに育ったなとは思う。今も、にこにこと準備をしているのか騒いでいるのかわからない同級生たちを眺めている。
「まだまだ終わりそうにないな」
「うん」
そうだね、と相槌を打つ。寮のクリスマスパーティーの準備は、寮生委員と三年生が担うことがになっているのだが、卒業を控えた先輩たちは最後の馬鹿騒ぎと言わんばかりの状態で、つまり、成瀬の言うとおりで進みは遅い。
寮長である茅野が許しているのだから、しかたがないのかもしれないが。
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