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第11話 弱味 Ⅲ
ミハイルが入部届けを持って部室に来た時は、どこぞの国の王子様が迷い込んで来たのかと思った
キラキラでサラサラの髪と色素の薄い瞳
見惚れる程整った顔立ち
クラスメイトが新入生にとんでもなくカッコイイ子が居るって話ていたのはコイツだって直ぐに分かった
実際、入学してから相当数の告白を受けているのも知っている
だからミハイルが言った事が、俺には直ぐ理解出来なかった
「…この事 皆にバラされたくなかったら、また 俺の相手してくれますよね⁇」
何で⁇ どうして⁇
お前が声を掛ければ喜んで着いてくる奴その辺にいっぱいいるよ
なのに何で俺なの…⁇
「…ね⁇ 藤さん」
体が痛くて悲鳴を上げているのに 頭がボーッとする
ミハイルの言葉に何も反応しないでいると ゆるゆると腰を動かされて、ヒッと息を呑んだ
「分かった!! 分かったから!! だから今日はもう止めて!!」
痛みで涙が滲む
ミハイルは俺の言葉にニコッと笑うと、やっと俺の中から出て行ってくれた
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