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第22話 宿泊 Ⅲ

「ミハイル…風呂…ありがと」 俺は 持ってきていた寝巻きを着て、リビングに居たミハイルに声をかけた 「はーい、じゃあ 俺も入ってきます」 ミハイルは洗面所のドアに手をかけて そのまま俺の方に振り返った 「俺の部屋、階段上がって目の前なんで、もしあれだったら 先に行ってても良いですよ⁇」 もしあれだったらって何だ!?って言おうとして止めた 俺も風呂上がり以外の理由で 体が火照ってきていたから 「…ん」 上を見ないで答えたから ミハイルがとんな表情をしていたのかは分からなかった そのままバタンとドアが閉まる音がして、地味に心臓がバクバクと言いだした こんな状態でとてもじゃないけど ソファーでゆっくりする気なんてなれず、自分の荷物を持つと緩やかな階段を登って行った 登りきった先に見えたドアを そろりと開けると中から新緑の様な春の匂いがした それは 偶にミハイルからフワリと香ってくるフェロモンの匂いで、部屋の中はその香りで満たされていた その中に足を踏み入れた瞬間、体中の血液が沸騰する様な感覚に襲われて、初めて感じたソレに耐え切れず 俺はその場に踞ってしまった 「…う…く…あ…」 息苦しい 涙が滲む でも この香りに酔いしれていたい… 呼吸が荒くなるのを感じる まだ大丈夫だと思っていたのに、俺の体はミハイルのαとしての性質に とんでもなく惹かれているという事に、この時 気付かされてしまった

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