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第31話 嫉妬

「えー!? ズルイ!! ズルイ!!  皆で泊まりで行くなんて!!  青葉さん 代わって下さい!!」 「無茶言うんじゃねぇよ!! このバカ!!」 「だって〜」 俺が叩いた頭を涙目で撫でるミハイル 不貞腐れたその顔に俺は溜め息を吐いた 「これ当選したの、ミハイルが入学する前だったからね」 「もうチケット完売だし、近隣ホテルも空いてないしな」 恵斗と池君の言葉にミハイルは小さく唸っている 「どんな感じだったかちゃんと教えてやるって」 青葉がそう言ってミハイルの髪をぐしゃぐしゃと撫でるとその手を軽く払い除けた 「嫌です!! そんなの聞いても楽しくない!!」 「一年のくせに生意気言うな!!  それ以上言ってもどうにもならねぇからな!!  もうこの話終了!! ほら、練習!!」 俺がそう言って手を叩くと皆それぞれ楽器を手に取り、所定の位置についた ただミハイルだけは頬を膨らませて、不満そうな顔をしていた

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