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第8話

同棲するマンション前に着いて、侑生にエスコートされながら車を降りる。 荷物は侑生が持ってくれて、俺は運転手さんにお礼を言ってからエントランスに入った。 エレベーターで目的の階まで上がり、やっと着いた玄関の鍵を開けて中に入ると、体に入っていた無駄な力がどっと抜けて一気に疲れが襲ってきた。 「わ、洸ちゃん、大丈夫?」 「……疲れたぁ」 靴を脱ぐことなく壁を頼りにして廊下に倒れ込む。確か昨日も廊下に寝転んだな。 「冷えるよ。せめてソファーで寝ようよ」 「……侑生が運んでくれたらいい」 「もう……。ちょっと待ってね」 荷物を廊下の隅に置いた侑生は、昨日と同じく俺の靴を脱がせた後、自分も靴を脱いで俺の手を取った。 「俺の首に腕回してくれる?」 「うん」 「持ち上げるよ」 「ん」 それなりに体重はあるのに、侑生は難なく俺を持ち上げてソファーに運んでくれた。 着ていたスーツを脱がされ、代わりに部屋着を持ってきてくれたのでそれに着替える。 「洸ちゃん、スマホさ、新しいのにしない?」 「え、急に何。」 「心機一転にどうかなって。俺からの連絡しかこないスマホ、どう?」 廊下から荷物を持って戻ってきた侑生がそう言って首を傾げる。その仕草が可愛い。好き。抱きしめてほしい。 ただ、侑生からしか連絡が来ないっていうのは、それはそれで寂しい気がする。 「侑生ぅ」 「なぁに?」 腕を広げるとすぐに隣に来て抱きしめてくれる。 スンスン匂いを嗅いで、首筋にキスをして今度は唇に。 何度も『好き』と思いながらキスをしていると、服の中に侑生の手が入ってきて、それでも構わず舌を絡めた。 乳首を撫でられて体から力が抜ける。 唇を離し、侑生にもたれ掛かると背中に回っていた手が優しくそこを叩く。 「疲れたでしょ。俺はこのまま洸ちゃんとセックスしたいけど、洸ちゃんは少し休んだ方がいいね。」 「侑生も一緒に」 「うん」 侑生も部屋着に着替えて、また俺を抱っこしてベッドに運ぶと自分も寝転がって俺を優しく抱きしめる。 髪を梳いたり、頬を撫でたり、蕩けるようなキスをくれたり。甘い時間が気持ちよくて侑生と手を繋ぎ足を絡める。 「侑生はいつも優しいから、俺は凄く嬉しいけど、侑生は何でそんなに俺に優しく居られるの?」 「え、だってこんなに可愛いし好きなのに、優しくしない理由がないよ。それに洸ちゃんもいつも優しいよ。俺の事沢山気遣ってくれるでしょ。そんな所も大好き。」 柔らかく微笑む侑生にキュンとして、たまらなく侑生に触れていたくなる。いやもう、いっその事一つになりたい。 「俺、侑生と二人だけの世界に住みたい。」 「ふふ」 「あ、バカにしたな」 「してないよ。可愛くて笑っただけ」 ギュッと苦しいくらいに抱きしめられる。 腕をタップすると力は緩められて、でも離れたくはないので彼の胸に擦り寄った。でもなんだか物足りない。 「侑生、触っていい?」 「触るの?」 「うん。服越しじゃなくて……」 「いいよ」 侑生は一度起き上がって着ていたトレーナーを脱いだ。俺も同じく上の服だけ脱いで、侑生にピッタリくっつき肌と肌を合わせる。

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