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第20話
ゴロン、と寝返りを打つ。
すぐに俺に覆い被さった彼は、もう顔に笑みを浮かべていた。
「そういえば、悪足掻きって何?」
あと少しで唇が触れ合う。
それなのに侑生がそんなことを聞いてきて、眉間にグッと力が入った。
「……別れたくないから、駄々こねるかもしれないってこと。」
「ああ、それで俺が洸ちゃんを嫌うって?……まず、洸ちゃんに対して『嫌い』って感情は持たないと思うけど……」
「もう、いいからキスしろよ」
「ん」
漸く唇が触れ合って、途端に胸に温もりが広がった。
侑生の首に腕を回し、貪るように繰り返す。
「はぁ……ぁ、侑生……」
「ん……?」
「挿れて、優しくして」
「うん」
唇同士がまた触れて、後孔にはペニスが宛てがわれる。
やり直すように俺の様子を伺ってからゆっくりと挿入されていく。
「んむっ、ぅ、ん、んっ……!」
「ん、う……」
舌を絡め、唾液を飲み込んで、侑生が奥まで入ると唇を離して、足を彼の腰に絡めた。
「はぁ……ぁ……」
「洸……ん、さっき、痛くなかった……?」
「痛くは、ないけど……苦しかった……」
「ごめんね」
「いいよ。俺もごめん」
侑生の唇が首筋に触れて、そこを強く吸われる。
舌が何度も這わされ、焦れったくなってきた。
後孔が勝手に収縮を始め、彼のペニスをより感じて息が荒くなっていく。
「っ、はぁ……洸、中すごい」
「ぁ……もう、動いて……っ」
腰が揺れる。侑生は笑みを零して、ゆっくりと律動を始めた。
ズルズルとギリギリまで抜いて、奥まで挿入して。
何度目かのその動きに爪先がピンと伸びて、体は細かく震える。
目の前がチカチカして背中が反れた。
「ん、イッてるの、可愛い……」
「っ、あ、あ……っ」
ちゅ、ちゅ、と頬にキスされる。
口が開けっ放しで閉じられない。
「ちょっと激しくするよ」
「んぁ、ぁ……侑生ぅ……」
「うん。掴まってて」
体が密着する。
しっとりと汗をかいた肌が今はひどく心地よくて、彼に身を委ねるように脱力した。
それを確認した侑生が激しく律動する。
パン、パンと皮膚同士がぶつかる音が鳴って、声が止められない。
「あっ、あ、あぁっ、あ……っ!」
「洸ちゃん、ここっ、入っていい……っ?」
「あぁっ、ンッ!きて、奥、全部、いっぱいに、して……っ」
またチュッとキスをされる。
コツコツ、壁を突かれ強い衝撃と一緒にまた達した。
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