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第21話
意味の成さない母音が零れる。
侑生に深く愛されて体も心も満たされていく。
「洸、奥、出していい……っ?」
「んっ、ぁ、ぅ……っ」
「それ、どっちなの」
困ったように笑う彼が、キスをしてきた。
侑生の唇を舐めれば、薄く口を開けた彼は応えるように舌を絡めてくれる。
「ん……洸、出すよ」
「んっ!」
ギュッと抱きついて目を閉じる。
律動が激しくなって、我慢できずに中で達したのと同時に、お腹の中に熱を感じた。
数回ゆっくりと動いた彼は、奥に入ったまま動きを止める。
荒い息遣いが耳元で聞こえる。
侑生が俺の中で気持ちよくなってくれたことが嬉しい。
それに、不本意だけれども俺の知らない侑生の怖い一面も知れた。
思っていたよりもずっと怖かったので二度と怒らすようなことはないようにしようと思いながら、彼の髪を撫でる。
「ん……何?」
「う、れしい」
「嬉しいの?俺も洸ちゃんとこうやって抱き締めあえて嬉しいよ」
「そうだけど、それだけじゃない」
「どういうこと……?」
怪訝な顔をする侑生は体を起こして、ゆっくりと俺の中から出ていく。
どういうことか気になるくせに、俺の為にと直ぐに水を持ってきてくれた彼。
お礼を言って違和感のある体を起こし、座る侑生に凭れた。
「怖かったけど、侑生の新しい一面を見れた。」
「ああ……それに関しては俺は嬉しくないけど」
「ごめん」
「いいよ。俺のことが好きすぎるんだもんね。いろんな俺が見たいんだよね。俺もいろんな洸ちゃんが見たい」
ニヤニヤする彼は俺のお腹に手を回し、首筋に顔を埋めてくる。
「俺は別に、そんなに色んな顔はないけど……」
「えぇ……?俺まだエッチしたくて堪んないっていう洸ちゃん見たことない」
「……そんなこと思ってる暇ない」
「ほとんど毎日してるもんねえ」
「そろそろ体力無くなるから回数減らしてこう。週に二回まで」
「地獄」
「ちょっ、重い……っ!」
いきなり脱力した侑生が俺を潰そうとする。
慌てて抜け出そうとするけど「ダーメ」と捕まえられた。
「週二はやめようよ。そんなの俺、洸ちゃん不足で死んじゃうよ……?洸ちゃんが仕事辞めるまでは我慢してたの知ってるでしょ?……あの頃は月に四回あるかどうかで、本当地獄だったけど。またあの生活に戻るなんて考えられない……。優しくするから許して……。」
「戻るわけじゃないけど、確かにそうだな。帰ってきたらすぐ寝てたし朝は早かったし、生理現象で勃つから仕方なく抜くみたいな状態だったもんな……。」
「俺に抜かせてもくれなかった」
唇を尖らせ文句を言う姿が可愛い。
むにゅっとその唇を摘んでやった。
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