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第22話

「んー!」 「新しい仕事が決まったら、今度こそ二人の時間がちゃんと作れるように、上手いこと予定立てるよ。」 手を離すと彼はシュンとして、もし本当に彼がワンコだったら耳が垂れ下がっているだろうなとイメージが湧く。 「だから週二はやめよ……?」 「はいはい」 頷かないといつまでも文句を言われそうだ。 彼は見るからに喜んでニコニコ笑っている。 「俺、お風呂の準備してくるね。洸ちゃんはちょっと休んでて」 「ありがとう。……侑生」 「んー?何かいる?」 ベッドから降りた侑生が振り返って聞いてくる。 いつだって俺に優しい彼に、伝えたくなった。 「好き。ずっと一緒にいて」 「わ……う、うん。俺も好き。一緒にいる……」 「うん。じゃあ、お風呂よろしく」 「わかった……ちょっと、ドキドキしてるけど、行ってきます」 オロオロしながら寝室を出ていく後ろ姿が面白い。 有難く休ませてもらって、ゴロゴロしていると後孔から中に出された精液が漏れてきて、慌ててティッシュを手に取り押さえた。 「トイレ……あ、いや、お風呂……でも侑生が準備してくれてる……」 悩んだ結果、侑生を大声で呼んだ。 ティッシュで尻を押さえたまま歩いている姿を見られるのはいくら侑生相手でも恥ずかしい。 「はいはーい。どうした?何かあった?」 「精液が……」 「あー、出てきちゃった?お風呂十五分くらいで湧くと思うんだけど……とりあえず行く?」 「うん」 「ここで掻き出してもいいけど」 「嫌だ」 はっきり拒否すると侑生は「だよねぇ」と言って俺を難無く抱っこした。 慌てて侑生にしがみつく。 「洸ちゃんちょっとだけ重たくなった?」 「え……太った?」 「ううん。存在感が大きくなった」 「……それ褒めてないだろ」 「褒めるとは違うけど、前は窶れて消えちゃいそうだったから、今の方が健康的でいいよ」 ちゅ、と頬にキスが落とされる。 前は侑生にそんな心配をかけていたんだなと思うと、そんな生活を六年くらい続けていたことに申し訳なくなる。 「ごめんな。色々心配かけてたのに、何も知らなかった。」 「ううん。洸ちゃんが元気ならなんでもいい。はい、到着。」 お風呂場について椅子に降ろされた。 ティッシュは侑生に奪われ、ゴミ箱へ。 「お風呂出たらお話しよっか。ほら、さっきの旅行のこととかも。」 「え、行っていいの?」 「うん。普通に旅行は行きたくない?」 「行きたい!」 嬉しくて大きく頷いた。 俺が思い出作りなんて言ったから、侑生は少し嫌がっていると思ったのに。

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