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第70話

昼ご飯を食べてソワソワしっぱなしも疲れるので、一度昼寝をすることにして眠っていると、百ちゃんが慌ただしくやってきた。 何かあったのかと飛び起きると「もう帰ってきてる途中らしいですよ」とウキウキした様子で言われ、胸を撫で下ろす。 「玄関で待ちますか?侑生さんも喜ぶかも」 「行く!」 百ちゃんと仲宗根さんに案内されるまま玄関に向かう。 扉を薄く開けて外を見ていると門の前に車が停まる音がした。 ドアが開きそこから侑生が降りてくる。 「侑生!」 嬉しくなって駆け出そうとした時、大きな破裂音が聞こえて、侑生が膝をつく。 「え」と思った瞬間には百ちゃんと仲宗根さんに家の中に引き込まれた。 「っ、え、な……」 そのまま抱き上げられ、廊下を走って奥の部屋に連れて行かれた。 状況が全く呑み込めず、侑生は?と振り返ると薄く開けた扉が勢いよく開き、多くの構成員さんに部屋に運び込まれる侑生の姿と、怒鳴り声が聞こえて頭の中が真っ白になっていく。 そうしていつの間にか部屋に着いていて、ソファに下ろされる。 「洸さんはここで待機。百が一緒にいます。俺は少し離れますが直ぐに戻ります。百、わかってるな。」 「わかってる。」 何が起こったのか理解をした途端、手足が震えだして百ちゃんの服を掴んだ。 「百ちゃん……っ」 「はい」 「ゆ、侑生、もしかして、撃たれた……っ?」 俺を落ち着かせようとしているのか、笑顔のままでいる百ちゃんが怖い。 貼り付けられたような笑顔に余計胸が苦しくなる。 「仲宗根が状況の確認をしています。洸さんはここで、まずは少し落ち着いて。」 「お、落ち着いて、られない」 「落ち着いてもらえないと何も話せません。仲宗根が戻ってきても状況を伝えられません。」 いつものような柔らかい口調と違い少し固いそれ。 そこは何があっても譲らないというような雰囲気にグッと唇を噛む。 「深呼吸してください。呼吸が浅くなってます」 「……ふぅ」 「もう一度」 「スー……ハァ……」 彼の服を掴んでいた手を取られ、そっと撫でられる。 百ちゃんの手が熱いくらいに温かい。

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