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第71話

■ 仲宗根さんが戻ってきたのはそれから三十分経った頃。 百ちゃんのおかげで落ち着いて最後まで彼の話を聞けた。 やはり俺が見たのは間違っていなかったようで、侑生は撃たれたらしい。 撃った犯人は直ぐに構成員さんに取り押さえられ、身元も明らかに。 どうやら今日侑生が片付けた仕事で取りこぼした人物だったとか。 意識のあった侑生は周りの安全を確認し終えてから病院に向かったようだ。 「普通に会話をして、今後の事について俺達に指示を出してから向かわれたので問題ないかと。撃たれたのも足みたいです。素人がビビって撃ったんでしょうね」 「……」 「今、親父さんが片を付けに行きました。」 「……侑生のところ、行ける?」 「処置をしていると思うので、それが終わり次第連絡が来ます。そこで聞いてみますね。」 「……うん。」 ドッと疲れてソファから転がり落ちて床に倒れ込む。 百ちゃんが驚いているけれど、放心状態で天井を眺めて脱力した。 それからどのくらい経ったのか、仲宗根さんに肩を揺すられて天井にやっていた視線を彼に移す。 「侑生さん、明日には帰るらしいのでこのまま家にいてほしいと。」 「……」 「もう夜ご飯の時間です。食べませんか?」 ぼやっとしていても彼らに気を使わせるだけ。 侑生は無事らしいし、明日には帰ってくる。 それなのにいつまでもこうしていては、侑生の恋人なんて務まらない。 「うん。食べます」 「よかった。すぐに持ってきます」 起き上がるとすぐそこに百ちゃんがいて、俺を見るとふんわり笑う。 「ご飯食べて、今日は早く寝ましょうねぇ。」 「うん」 しばらくすると仲宗根さんがご飯を持ってきてくれて、三人で他愛ない話をしながら食事をした。

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