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 1日の過ごし方を水戸くんにお任せした結果……なんかもう、心臓がもたないかと思った。  役者って、こんな不意打ちで何度もキスしてくるものなのだろうか?  水戸くんがお風呂の間に少しだけチャットを見たら、他のカップルがどんな感じなのかを教えてくれる人がいた。  たいていの人たちは、1日に何回もR18タイムがあるらしい。  なんでそんなにできるのかと驚いたけど、『ほんとに出してるわけじゃないだろうから、無限にできる』と言われて、赤面してしまった。  内容はけっこう過激で、命令してエッチな格好をさせたり、おもちゃを使ったり、縛ったり、何時間もしたり。  心底、組んだのが水戸くんでよかったと思う。  そして何よりほっとしたのが…… [水戸くんも、他の人と組んでたら受けになるタイプだったね] [それ]  確かに、綺麗だもんな。  無理やりされたりしなくて済んだのなら、それだけでもよかった気がする。 「あの、僕もなんかもうちょっと期待に応えられるように頑張ります。……っていっても、演技とかまだ勉強中なので、下手なんですけど」 「なーに話してるの?」 「うわあっ!?」  突然後ろから声をかけられて、飛び上がってしまった。  焦ってチャットを見ると、視聴者さんたちが適当な文字を入れまくって、一斉にコメントを流してくれている。 「えっと……ちょっと、BL杯のコツとか教えてもらってた」  間違ってはいないはず、と、しどろもどろになりながら答えたけれど、彼はなんだか不満そうだった。 「さっき言ったでしょ。理空はポイントとか気にしなくていいの。普通にしてて」  そう言うなり、押し倒してきた。  ほてった体温を感じて、ちょっと期待してしまう。  また気持ちよくしてくれるのかな、とか。 「理空、キスしよ」 「ん……」  部屋が暗転する。  がこんと、ドアロックが下がる音がする。  水戸くんは、このまま擬似セックスするつもりなんだ……。 「服、脱いじゃおっか。おいで」 「自分で脱げるよ」 「そういうことじゃない。俺がしたいの」  脱がされながら、あちこち撫でられる。  まだ触られてもいないのに勃ってしまって、どうしたらいいか分からない。  僕も水戸くんの服を脱がそうとするけど、自分の体がびくびく跳ねてしまって、うまくいかない。 「あはは、ありがと。俺は自分で脱ぐからいいよ」 「ぅ……僕もなんかしたぃ」 「じゃあ、舐めてくれる?」 「へ?」 「ここ、口でして?」  水戸くんが、ズボンと下着をずらす。  硬くなったものが露わになって、僕はつい、凝視してしまった。  何もコメントできないまま、ひざ立ちになる水戸くんの腰に手を添え、ペニスを口に含む。 「んぅ、……ん、」 「理空、口ちっちゃいね」 「んぐ……、ぷぁっ、ごめ、下手で」 「逆に興奮する」  口だけじゃどうにもならなそうなので、手も使って、どうにかしようとする。  けど、やり方も分からないし、こんなので本当に気持ちよくなってもらえているのか……。 「もういいよ。ありがと、気持ちよかった」 「そ、そう……?」 「うん。俺もしてあげるから、寝っ転がって?」  言われるがままに寝転がると、水戸くんは、僕の乳首をちゅうっと吸った。 「や、そんなとこ、……っ」 「気持ちよくない?」 「女の子じゃないから、はずかし」 「こら、視聴者さんにヒント与えないの」  なんのことだと思う余裕もなく、全身にキスされて、おかしくなりそう。  少しずつ下りてきて、太ももやおへその周りで何度も()らされて……。 「ぁ、も、だめ。水戸くん、みとくん」 「舐めて欲しい?」 「ぅ、あぅ」  答えになってないけど、察してくれたらしい水戸くんは、ぱくっと丸ごと(くわ)え込んだ。 「あ、ぁ……っ、はぁっ」  気持ちいい。  人にこんなことされたことないから、こんな、あったかいのに包まれて、 「で、ちゃぅっ、やだ……っ。口離して」 「いいよ」 「んーっ、んーっ」  人の口の中に射精しちゃうなんて、あり得ない。  と思うのに、刺激に耐えられない。  背中が弓なりに反って、シーツを握りしめた。 「ああぁぁあっ、…………ッ!!」  水戸くんが、咥えたままむせる。  こんなの演技でできるはずないから、もう、本当にしてるってバレバレだ。 「理空、足閉じて」 「……? こう?」 「うん。ちょっとぬるぬるして気持ち悪いかもだけど、我慢して」  水戸くんはベッドサイドにあったボトルを手に取り、中身をにゅるにゅると出して、僕の太ももに塗りつけた。 「あの、これ……」 「いきなり痛くしたくないけど、でも俺は聖人君子じゃないから、好きな子がイッたとこ見て何もしないのも無理」  太ももの間に、水戸くんのペニスが挿し込まれる。  ぬちぬちと音を立てて前後する動きは、本当にセックスしてるみたいだし……もしかしたら、ドラマのラブシーンは、こんな感じで作られているのかもしれない。 「……っ、理空、きもちぃ」  余裕のない表情。  僕はどうしたらいいか分からなくて、ただ見ている。  さっき聞いた話では、『攻めの人がそんなに真面目に演技しなくても、受けが喘いでいれば、ポイントはそれなりに入る』と言っていた。  こんな、水戸くんだけが恥ずかしい思いをするような声、聴かせなくたっていいんじゃないだろうか? 「あの、水戸くん、無理しないで」 「……ごめん、じゃあもうイク」 「へ?」 「もうちょっと(こら)え性あると思ったのにな、…………ッ」  パンパンと激しく肌を打ち付けたあと、息を詰めて射精した。 「……っ、はあっ、はっ、……ごめん、びっくりした?」 「ん、へいき……」  結局無理させてしまった。  水戸くんは息を整えながら、僕の頭を何度も撫でた。 「なんでそんな顔すんの。俺、うれしいよ」 「あの、いや……なんでもないんだ。うん、僕も」  水戸くんはプロの卵なんだし、僕が『本当は嫌じゃない?』なんて聞いても、好きとかなんとか言うに決まっているのだ。  聞かれて困るような質問をするのは、気遣いでもなんでもない。  彼の話に合わせるのが、一番、彼のためになる。  僕は疑問を飲み込んで、お腹の上に散った水戸くんの精液に触れた。 「うん。僕も、うれしかった。あったかいのがお腹の上に飛んできて、演技じゃないんだって分か……んぅ!?」  キスで口をふさがれて、思わずじたばたと暴れる。 「もうっ、なんてこと言うんだよっ」 「へ? え、ごめん……?」  無理やり気味に引っ張られて、お風呂に連行される。  水戸くんは真っ赤な顔でぶつぶつつぶやきながら、僕の体を洗ってくれた。 Day3 End.

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