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 お互いとろとろで、何度も何度もセックスをした。  抱き合ったり、休んだり、キスしたり、挿れてみたり、おしゃべりしたり、少し眠ったり、指を絡めて遊んだり。  触れ合う全てが僕たちにとっては愛を確かめる行為で、聖なる儀式か何かのように、睦み合った。 「理空、どうしよっか。あと3分で、22:00」 「授賞式始まっちゃうね」 「行く?」  水戸くんはいたずらっぽく笑っている。  僕は目を伏せふっと笑いながら、首を横に振った。  水戸くんが、緩慢な動きでディスプレイをつける。  映し出されたホールでは、参加者たちが、緊張の面持ちで発表を待っていた。  僕は、素肌の水戸くんに寄り添う。  あったかくて、いまにもまぶたを閉じてしまいそうだったけれど、時間を知らせる壁掛け時計の音で、ゆるく目を開けた。 『それでは、BL杯の結果発表及び、授賞式を始めます!』  ちらりと見ると、水戸くんは他人事のようなのんきな顔で、画面を見つめている。  ぱっと映し出されたランキングの一番下に、僕たちの名前があった。    俳優一科 水戸慶介【失格】    俳優三科 森山理空【失格】 「あはは、授賞式サボったら失格だ」  そう言って水戸くんは、楽しそうに笑う。  こんなイベント、最初っからなかったみたいに。 「視聴者さんたち、怒るかなあ」 「怒らないと思うよ。みんな優しかったし、いまごろ大笑いしてくれてるって」 「そっか」  僕は、水戸くんの胸に耳をくっつけた。  そして、彼の声と鼓動を聞きながら、一緒に過ごした7日間を思った。  色んなことがあって、笑ったり泣いたりした。  ふたりで知恵を絞って、目に見えない画面越しのファンに助けられながら、楽しい毎日を送れた。 「あっ、1位はハルトさんとユーキさんだよ」 「なーんだ。実力派バカップルが、1週間休暇取って遊んでそのままデビューするってことだね」 「ふふ。変なイベント」  会場の様子が映し出される。  悔しそうに泣いたり、負けを受け入れながらも拍手をしたりする人たちの姿を見て、みんなそれぞれ、デビューへの想いがあったのだと知った。  勝たなくてよかったのかもしれないと思う。  もしかしたら水戸くんも、僕がこんな気持ちになると分かっていたから、失格の道を選んだのかも。 「水戸くん。デビューできなくてごめんね。でも、僕を選んでくれてうれしかった」 「全然謝ることない。俺も、デビュー云々より、やったことない演技をしたらうまくなるかみたいな興味の方が強かったから。これでよかったんだよ、多分ね」  大きすぎるベッドの真ん中で、ふんわりと手を繋いだ。  僕たちは、あしたからも生きられる。  いま、この指の感触を、ずっと忘れずにいられたら。 7Days End... and?

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