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第29話

「ひ、広い部屋だね」 大学後、惇生は大悟の部屋にいた。 緊張の為、辺りを見渡す。 革張りのソファ、ローテーブル、部屋の片隅にはアクセサリーや腕時計が並ぶスペースがある。 生活感のない、殺風景な部屋だった。 「風呂溜める、入るだろ」 大悟が浴室に消え、はあ、と惇生はソファに座り込んだ。 心臓がはち切れんばかりに鼓動する。 風呂上がりに大悟に続いて、惇生も風呂に浸かった。 「...浴室まで広い...」 緊張が解れてくれる様子はないが、覚悟はしている。 大悟が部屋着を用意していてくれ、それを身にまとい、風呂を上がると大悟がビール片手にソファに座っていた。 「お前も飲めよ」 「う、うん...」 おずおずと渡されたビールを手に取り、小さく飲んだ。 「処女の癖に無理すんな」 途端、ムッとした。 大悟の手首を掴み、ベッドへ移動する。 大悟も面食らい、なすがままだ。 不器用に大悟の服を脱がせにかかり、思わず、大悟は笑った。 「だから、無理すんなって」 「うるさい」 互いに全裸になった。 初めて見る、自分以外の性器。 ごくり、唾を飲み、覚悟を決め、口を開けて迎え入れ、フェラをした、が、 「...い、いてーな、歯が当たる...」 大悟が怒りを露にし、顔を歪める。 「ご、ごめん、は、初めてで、フェラ。頑張る...」 なるべく歯が当たらないよう、一旦、離した口で大悟の性器を愛撫した。 暫く、大悟はそんな惇生を見下ろしていたが、吹き出した。 「な、な、なにがおかしいんだよ...!」 「いや、変な奴って思って」 唇を噛み締め、惇生はあろう事か、大悟に跨り、まだ完全に勃起してはない、大悟の性器を握り、自らの蕾に宛がった。 「お、おい...」 こじ開ける痛みを伴いながら、ようやく、根元まで受け入れ座り込んだ。 「い、痛い....」 「当たり前だろが、初めての癖に、抜け」 「抜かない」 「抜けっつってんだろ」 「嫌だ、俺が、俺が他の男とは違うって、本気だって、大悟に気づいて貰う...」 はあ、と痛みから涙目の惇生に、大悟はため息をついた。 涙目ながら、強い惇生の眼差しに心臓が鷲掴みにされ、目が離せない。 「...お前にはホント敵わねー...」 「なに?聞こえない」 「独り言だよ、ってか、さっさと抜け、裂けるぞ」

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