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第二章・3

「でも、18歳なら。もう発情は済んでるんだろう?」  こんな無礼なことを言いながら、丞は翠の白い手を取った。  指と指の間を擦る仕草が、卑猥だ。 「お、おやめください」 「可愛いね。ホントに良家のお坊ちゃん、って感じ」  そして、まだ未経験、なのかなぁ?  丞は、その大柄な体で、翠にのしかかって来た。 「や、やめ、て! やめてください!」 「そそられるね。そんな声を出されたら」  ますます、いたずらしたくなる。  丞のぬるい舌が、翠の頬を大きく舐め上げた。 「お願い。やめてぇ……!」  翠は、混乱していた。  性交自体は、学校で学んでいる。  ただそれは性教育の範疇で、実際に他者と肌の触れ合いなど経験のない翠だ。  未知の恐怖に、ひるんでいた。  生々しい行為に、怯えていた。  暴れてももがいても、丞は悪ふざけをやめない。 「誰か。誰か来て! お父様!」 「残念。そのお父様からの了承も、得ているよ」 「え!?」 「体の相性も試していい、って。そうお許しをいただいてる」  そんな。  翠は、奈落に突き落とされた。

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