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第二章・4
大人しくなってしまった翠に、丞はキスをしてきた。
咥内を、分厚い舌が躍る。
生臭く、不快だった。
応じてこない翠に、丞はニヤニヤと目尻を下げている。
「もしかして、ファーストキス? こいつはありがたいね」
「もう、お許しください……」
「ダメダメ。スーツ、脱いで。皺になると、いけないから」
「それは。それだけは」
嫌なら私が脱がせてあげる、と伸ばされてきた腕をよけ、翠はのろのろと被服を脱いだ。
「なんて美しいんだ」
感嘆の声を溜息とともに洩らし、丞はその滑らかな素肌をじっくりとさすった。
時折キスをし、胸の小さな乳首を舐めてくる。
翠は、あまりの具合の悪さに、気が遠くなりそうだった。
(嫌。気持ち悪い。早く終わって!)
助けて、涼雅!
そう思いもしたが、こんな目に遭っている姿を、彼に見られたくはない。
翠は無理に、頭の中から涼雅を追い出した。
「じゃあ、そろそろ」
スーツのポケットから、丞は携帯用のローションを取り出した。
むろん、初めての翠には、それが何だか解らない。
身を縮め、息をつめていると、それが後膣に塗り込められて来た。
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