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第四章・3
お茶のお代わりをして、翠はふと思いついた。
「そういえば。僕は今、何歳なんだろう?」
「18歳になられます」
「涼雅さんは?」
「わたくしは、28歳です」
28歳。
同じ年齢の男性が、他にも誰かいたような……。
だが、その人のことを思うと、胸が悪くなる。
めまいがして、汗が吹き出し、気が遠くなってゆく。
「翠さま、大丈夫ですか!?」
「う、うぅ。気分が……、悪い……」
彼をベッドに横たえ、涼雅は思った。
(いつも、特定のワードを引き金に、翠さまは体調を崩される)
第二性、結婚、そして、年齢。
「それから、旦那様も」
実の父の影に怯え、苦しんでいらっしゃる。
「翠さまに、何があったんだ」
一か月ほど前の、有島さまとのお見合い。
その後すぐに、翠さまは服毒なさった。
「お見合いの席で、何かあったに違いない」
涼雅は、武生に面談を申し出た。
それはひどく勇気のいることであったが、翠のために。
彼の回復のために、涼雅は行動を起こした。
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