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第七章 キス

 カフェ・グリーンの客は、日を追うごとに伸びて行った。 「ここ、ここ! 例の、映えるカフェ!」 「うわぁ、すごい! グリーンでいっぱい!」  そんな客が、ひどく増えた。 「何でも、お客様の一人がSNSに画像をアップしてくださったらしいんだ」 「ありがたいですね。それでは、いっそう気を引き締めなくては」  手が回らないようになってきたので、スタッフを増やした。  バリスタも、迎え入れた。 「涼雅さん。何だか、にぎやかで楽しいね!」 「翠さまには、これまで通り美味しいハーブティーを淹れていただきますよ」  あの香り、あの味は、翠にしか出せない魔法のお茶だ。  そのように涼雅に褒められ、翠はひどく喜んだ。

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