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第七章・3
「青海くん、どうしてそんな風に考えるの!?」
だってさぁ、と青海は手にしたトレイをぱたぱた動かした。
「能登さん、絶対に翠さまのこと愛してるもんね」
「そうなの!?」
「見れば解るよ」
ちょっと待って。
落ち着いて。
落ち着いて、僕!
「あの。その話、後で詳しく教えてくれるかな?」
「ん? いいけど?」
震える手で、翠はカモミールティーを淹れた。
こんなに緊張してお茶を淹れるのは、初めてだ!
用意の整ったハーブティーをお客様にお出しする、青海。
そんな彼を、翠はついつい目で追っていた。
『能登さん、絶対に翠さまのこと愛してるもんね』
青海は、なぜそんなことを言い出したのか。
そして、その根拠は!?
翠の頭は、ぐるぐる回っていた。
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