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第九章・4
「え、……発情?」
嫌だ。
何だろう。
胸が、ざわざわする!
『でも、18歳なら。もう発情は済んでるんだろう?』
誰?
誰の声?
誰が、こんなこと言ったのかな!?
『翠くん。妊娠の心配は、まだないね』
いや。
やめて。
『だったら、中に出してあげるから!』
翠は、その場にうずくまってしまった。
「う、うぅ! 嫌だぁあ!」
「翠さま!」
涼雅は、翠をその胸に抱き寄せた。
「助けて。助けて、涼雅!」
「わたくしは、ここに! ここにおります!」
強くこわばっていた翠の体から、急に力が抜けた。
気を失ってしまったのだ。
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