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第十章・6

 デート。  初めての、涼雅とのデート! (どうしよう。どこに連れて行ってもらおう!)  何だか、ワクワクしてきちゃった。  何だか、ドキドキしてきちゃった。  何度も寝返りを打つ、翠だ。  最後に、涼雅の方に寝返りを打った。 「涼雅は、デートって思っててくれてるのかな」  いや、多分。  彼は、寝込んでしまった僕を、記憶を取り戻してしまった僕を。 「ねぎらって、気分転換させてくれるつもり、なんだよね」  ちょっぴり、切ない。 「僕は、涼雅のことが大好き。愛してる」  でも、涼雅は……? 「使用人だから、僕を大切にしてくれてるだけかも」  いや、考えるのはよそう。 「明日は、デートなんだから!」  誰が何と言おうと、デートなんだから! 「どこがいいかな。水族館、プラネタリウム、植物園……」  うきうきと思いを巡らせながら、翠は眠りに就いた。

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