68 / 140
第十章・6
デート。
初めての、涼雅とのデート!
(どうしよう。どこに連れて行ってもらおう!)
何だか、ワクワクしてきちゃった。
何だか、ドキドキしてきちゃった。
何度も寝返りを打つ、翠だ。
最後に、涼雅の方に寝返りを打った。
「涼雅は、デートって思っててくれてるのかな」
いや、多分。
彼は、寝込んでしまった僕を、記憶を取り戻してしまった僕を。
「ねぎらって、気分転換させてくれるつもり、なんだよね」
ちょっぴり、切ない。
「僕は、涼雅のことが大好き。愛してる」
でも、涼雅は……?
「使用人だから、僕を大切にしてくれてるだけかも」
いや、考えるのはよそう。
「明日は、デートなんだから!」
誰が何と言おうと、デートなんだから!
「どこがいいかな。水族館、プラネタリウム、植物園……」
うきうきと思いを巡らせながら、翠は眠りに就いた。
ともだちにシェアしよう!