77 / 140

第十二章 触れて触れられて

「デート、どうだった?」 「すっごく、楽しかった!」  カフェの休憩室で、青海と翠は身を寄せ合って画像を見ていた。 「これが、ダンジョンの写真。これが、レストランで。これが……」  最後に観覧車の写真を見せると、青海はしげしげと翠の顔を見つめた。 「もしかして、観覧車で手をつないだり、キスしたり、した?」 「……した!」  翠と青海は、もう後はわぁわぁ言って、ソファのクッションを叩いたりした。 「だから、かぁ。能登さんが突然翠さまのことを『翠』って呼ぶようになったのは」 「うん。僕から、お願いしたんだ」  だから、と翠は青海に言った。 「青海くんも、僕のこと翠って呼んでよ」 「いいよ。翠くん」  何だか嬉しいな、と青海は微笑んだ。 「こう、友情が深まったカンジ」 「僕も、嬉しい」  同じオメガ性同士、二人はいろいろな話をした。  趣味のこと、好きな人のこと、そして……。 「ね、翠くん。翠くんは、体が火照って仕方がないとき、どうやって処理してる?」 「え? 処理?」  戸惑う翠を置いて、青海は性について奔放に語り始めた。

ともだちにシェアしよう!