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第十二章 触れて触れられて
「デート、どうだった?」
「すっごく、楽しかった!」
カフェの休憩室で、青海と翠は身を寄せ合って画像を見ていた。
「これが、ダンジョンの写真。これが、レストランで。これが……」
最後に観覧車の写真を見せると、青海はしげしげと翠の顔を見つめた。
「もしかして、観覧車で手をつないだり、キスしたり、した?」
「……した!」
翠と青海は、もう後はわぁわぁ言って、ソファのクッションを叩いたりした。
「だから、かぁ。能登さんが突然翠さまのことを『翠』って呼ぶようになったのは」
「うん。僕から、お願いしたんだ」
だから、と翠は青海に言った。
「青海くんも、僕のこと翠って呼んでよ」
「いいよ。翠くん」
何だか嬉しいな、と青海は微笑んだ。
「こう、友情が深まったカンジ」
「僕も、嬉しい」
同じオメガ性同士、二人はいろいろな話をした。
趣味のこと、好きな人のこと、そして……。
「ね、翠くん。翠くんは、体が火照って仕方がないとき、どうやって処理してる?」
「え? 処理?」
戸惑う翠を置いて、青海は性について奔放に語り始めた。
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