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第十二章・4

「お疲れ様、翠」 「涼雅、お疲れ様」  カフェを閉め、スタッフが帰り、二人きりになった店で、互いに声を掛け合った。   『お疲れ様でした、翠さま』  以前なら、こんな言葉が掛けられるところだ。  だが、今は違う。  新しい関係に、翠はすっかりのぼせていた。  青海との会話に、火照っていた。 「ね、涼雅。一緒に、お風呂に入ろうよ」 「は、恥ずかしいな」 「いいから、いいから。お願い」  こう言われると、涼雅は弱い。  以前も一度、一緒にバスを使ったこともあるので、今回もまた了解した。  翠が、何を企んでいるかも知らないで。  

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